愛の行方 【JW赤×緑】

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ぽつぽつと2人並んであるく夜道。

歩き慣れた地元道のはずなのにどこか別の地域に見えるのは夜だからなのか俺が歳を重ねたからなのかは分からない。


それとも、

酔って信じられないほど気分がいい神ちゃんが腕を俺の腕に絡めているからなのだろうか。


緑「？
しげ？」


急に止まった俺に釣られて神ちゃんも止まる。

不思議そうに俺を見つめる瞳が微かに揺らいだ


普段なら受け身な神ちゃんが自分からこんなに絡んでくれることがめちゃくちゃ嬉しい。

正直このまま行けるんじゃ、？と最低なことを考えてしまうし、もう俺の事好きなんじゃないだろうか、とさえ考えてしまう。


けれど。


「神ちゃん」


きっと、それは違うんだろうな。


するりと腕を離して神ちゃんに向き合った。

甘く蕩けていたように感じた瞳は、不安げに揺れて虚空を想っている事が分かる。わかってしまった。


きっと今神ちゃんは俺じゃない誰かを見ている。


緑「なぁに？」


きっと神ちゃんはそんな酔っ払ってない。
酒を理由にはちゃめちゃな事をして。

何かを、忘れたいんだ。


深層心理までは分からないし、ここまででもわかる自分が気持ち悪い。

けどきっとこれは俺がずっと神ちゃんを見てきたからこそ身についてしまった特殊能力。


「アイツと会ったの？」
緑「……誰？」

「元彼と。」


まっすぐ見つめて刺すように問えば、神ちゃんの表情に影が刺した。

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