愛の行方 【JW赤×緑】

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沈んでいた意識がふよふよと浮かんで覚醒する。

目を開けば懐かしい天井。
そうだ、神ちゃん家に泊まったんだった。

ゆっくり上半身を起こしてきょろきょろと辺りを見渡す。


「ぅえっ！？！？」


俺の隣のシーツが微かに膨らんでいる。

そこからのぞく黒染めが色落ちした茶髪は何よりも見覚えがあった。


そーっと刺激を与えないように掛け布団をめくれば神ちゃんの可愛い可愛い寝顔とご対面。

あぁーかわい。ほんまに。

この寝顔が取られたくなくて俺ら以外の誰かがいる時のお泊まり会では絶対に隣を死守していたっけ。


神ちゃんの意識が覚醒していないのをいい事にさらりとやわらかな頬を撫でた。


こんなに可愛らしい、大事な大切な優しい人。

どこから産まれたかも知らない男に一生物とも思える傷を負わされた事が可愛そうで、憎たらしくて吐き気がする。


「んはは、おはよ」


自分でも信じられないほど甘い声で聞こえてないであろう想い人に呼びかける。

そろーっとベットを抜けた時、1人用のベットに2人で寝ていたのか、と冷静になって布団から抜けてしまった事に酷く後悔した。


そう言えば昨日いつの間にベットに入ったのだろうか

あの後ヤケになって残しておくはずだった缶ビールに手を出して、神ちゃん家の冷蔵庫の中にあった明らかに神ちゃん用でないお酒を全部飲み干した。

嫉妬と、神ちゃんの中の寂しさを拭ってあげたくて。


アイツを思い出すきっかけとなるもの全部無くしてしまいたかった。


そんな。可愛くない独占欲


緑「おはよ」
「うぉ！おはよ！」


洗面所を借りて顔を洗っていればいきなり声を投げられてびっくりした。

勢いよく振り返って挨拶を返せば呆れたように優しく笑うもんだからまた堪んない。

そういや昨日、俺はどうやって布団に入ったのか、と尋ねれば


緑「はぁ！？！？覚えてへんの！？」


なんて叫んで今度こそ本気で呆れた感じで息をついた。

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