愛の行方 【JW赤×緑】

▷ 12 ページ12

緑「あ！！」
「え！？どした！？」


談笑しながら車を走らせていると急に大きな声を上げた神ちゃん。

どうしたのかと横目で少し彼の様子を伺えば猫のように目をまん丸にして、顔も若干青ざめていた。


緑「家の鍵…閉めてきたっけ…」
「嘘やん…」


しっかり者の神ちゃんからは考えられないような発言。

まさかまさかあの神ちゃんがそんな失態を口にするだなんて。
しっかり者で真面目な神ちゃん。

家の施錠はもちろん何事にも真剣に取り組み飼っている猫ちゃんのお世話も欠かさない。

それに気づかず、忘れがちな洗剤類が切れたことは俺の知っている限り1度もなかった。


そんな神ちゃんが家の施錠を忘れたかもだなんて。


「大丈夫やって！朝閉めたやろ！？」
緑「玄関閉めとったとしてもベランダの鍵開けっぱや…」


そう言って項垂れた神ちゃんに続いて俺も項垂れる。

まじか、神ちゃん。そんなんしたこと無かったやん…


緑「うわあ最悪や！なんか人おったらどうしよう！？
空き巣、！ここら辺空き巣被害とか最近あったっけ！？」


こんだけ慌てるのもしょうがない。

彼は真面目でしっかり者であるのと同時に心配性でもあった。

加えて神ちゃんの部屋はアパートの1階。
ベランダの鍵を閉め忘れたとなるとかなり心配になるのも納得出来る。し、俺も同じくらい焦っていた。


「神ちゃん、！落ち着き！大丈夫！大丈夫やから！きっと！」
緑「うーん、！でも……うーーーー！！」


じたばたと子供のように暴れ、落ち着きを見せない神ちゃんをなだめながら神ちゃんの自宅へ向かってアクセルを踏んだ

▷ 13→←□ 11

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す