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緑side
『あ』
行くつもりもなかった花火大会
妹が親戚の家に従兄弟が来るとかでどうしても車を出して欲しいとごねられしぶしぶ会場近くの親戚の家に車を走らせた。
着いたら着いたであれよあれよと会場へ駆り出され、あれ買ってきてこれ買ってきてのオンパレード。
じゃんまけした俺と妹で人混みの中を練り歩き、なんとか目的の物は手に入れた、後。
恋人と会ってしまった。
隣には可愛らしい華奢な女の子。
2人とも浴衣に身を包み、はぐれないようしっかり絡められた手は俺を前にしても離されることは無かった。
人生で初めてできた恋人。しかも同性。
俺自身同性愛者だなんて思わなかったし初めて心から好きだと思っていたからこそ、かなりショックだった。
『智洋からの愛情あんまわかんなかったから』
『そもそも男同士とか生産性無いやん。親安心させたいし』
『智洋が男だから。
女だったらよかったやんけ』
『ヤんのにも準備いるし』
『とっくに冷めてんねん』
「ぅ”っ、!」
頭の中で反芻する彼の声。発言。言葉。
今すぐにでも掴みかかって別れを切り出し相手を海に沈めてしまいたい。
でもそれが出来なかったのはこの時はまだ彼を好きだったから。
寂しい想いをさせていた自覚が、あったから。
なんでか分からないが俺は好きな相手、気を許した相手にはどこか冷たくなってしまう。
これは彼と付き合って始めて気がついた。
世間一般で言う”ツンデレ”とか言う俺には可愛すぎる言葉の部類に当てはまるんだろうけれど、それのせいで相手を苦しめていたと思うと責める物も責められなかった。
社会人でありながら恋愛童貞。
盲目的に向こうから話される将来設計に”なんやそれ”と笑いながらも信じ、期待していた。
けれど未来なんて来なかった。
たった3ヶ月。
倦怠期を迎えることが多い期間だとは知っていたがまさか他に”女”が出来るなんて思ってもみなかった。
赤「俺にしとき。俺はなにがあっても一生神ちゃんだけを愛すから。」
精神状態が良くない事が自分で分かり、幼なじみで誰よりも信用しているしげを飯に連れ出した。
そこであった事をだらだら話せば吐露されたのはまさかの俺への恋慕。
戸惑ったしそんな目でしげを見たことがなかったから言葉に詰まる。
なにより
今、恋愛的な事で誰かを信用出来る余裕は全く無かった。
「ありがと」
流れ作業のように吐き出した言葉に温度が無かったのは自分でも笑ってしまうくらい明確だった。
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しいたけくじら(プロフ) - ゆきのさん» 本当に更新遅くなってしまって申し訳ないです😭待ってましたなんて…!嬉しいありがとうございます🥲流星なら芸能人さながらになっているだろうなぁと思いまして笑駅の注目浴びちゃうと思いますよ笑 (10月25日 20時) (レス) id: 849b90b2d2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの(プロフ) - わーい🙌更新待ってました!流星の登場が、絵に描いたように頭に浮かんで笑いました(笑 めちゃくちゃ目立つだろうなぁ…。 (10月16日 9時) (レス) @page24 id: 1904c4fab9 (このIDを非表示/違反報告)
しいたけくじら(プロフ) - ゆきのさん» 赤くんは緑くん一筋なので!全力で振り向いて欲しいので頑張ってます✊🏻❤️🔥きゅんきゅんしてもらえて嬉しいですー!!🤍 (9月13日 21時) (レス) id: 673e1858cc (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの(プロフ) - あーん。赤くんの、緑くんが受け入れ易いような言い回しを選ぶところも、ちゃんと気持ちを行動で示そうとしてくれるところも、めっちゃキュンキュンするー!! (9月8日 23時) (レス) @page13 id: 22105fbc41 (このIDを非表示/違反報告)
しいたけくじら(プロフ) - ねむちゃさん» じたばた緑くん可愛いですよね!超絶一途赤めちゃらぶ🫶🏻えぇ、!?!?嬉しい…😭ありがとうございます!😭 (9月8日 20時) (レス) id: bbab0b71b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しいたけくじら | 作成日時:2023年8月26日 20時