4話 ページ4
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「おまえ昨日電話出なかっただろ」
朝、出勤してデスクに腰を下ろす――というルーティンは爆豪くんによって止められた。なにとも聞き捨てならない言葉を投げかけられて。
「で、んわ、ですか」
昨日はひたすら飲んで、起きてシャワーを浴びて……スマートフォンが鳴った覚えは無いが、私がスマートフォンを開いた覚えもない。これは、やらかした。
「着信……三件。すいません！昨日はその、言い訳ですが、睡魔が酷くて。ごめんなさい。次からは気を付けさせてください」
目一杯に頭を下げる。背筋がヒンヤリするし、冷や汗が止まらないし、頭も胃も痛い。今までこんなミスしたことあっただろうか。否、あるはずもない。三件のうち二件は爆豪くんからだった。二度もかけてくるという事は相当な要件があったに違いないだろうし、それ以前に仕事場のましてや雇い主からの電話を次の日に本人に言われて気付くなんて、この上ないミス。
「らしくねえなオイ」
「……すいません」
「大事な用事ん時じゃなくて良かったわ、とりあえず顔あげろや」
大事な用事ではない。この言葉に少しホッとした。あと物腰がいつもより柔らかい気がする。
「あの、どういったご用でしたか」
「……先週。」
「先週……？」
「……かさ！傘、借りたろ」
「はあ。お貸ししましたね、確か」
「雨振ってねぇ日に返されても荷物だろ、だから今日返そうと……思って、傘持ってくんなよって、電話を……」
だんだんと萎んでいく言葉に、私は安心と嬉しさが込み上げてきた。そういえばこの人に褒められた事は無かったけど、気を遣ってくれる事は多々あったなと思い返す。
「今日、雨の予報だったんですね。丁度良かったです。予報、見てなくて」
「二回も電話かけさせやがって」
「……それに関しては、本当に反省します」
「おう」
怒られなくてよかった、そして私の傘が男女兼用でよかった。そう心から思った。
(考えてみればたかが傘で、二度も電話をかけてくれたって事だよね？)
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リンドウ - 、さん» ご指摘ありがとうございます。こちらのミスでした。先程フラグを外してきましたので、おそらく二度とこのような失敗は無いと思われます。改めてありがとうございました。 (2018年7月27日 1時) (
レス) id: 2a9c58e013 (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグちゃんと外しましょう。違反行為です (2018年7月27日 1時) (レス) id: cf6480ac5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リン堂 | 作成日時：2018年7月27日 1時
