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ball 40 ページ45

石川くんは、私の手を握ったまま。

緊張する。

『すぐ、2人の方に行かないと…なんですけど』

私が言うと、俯いてた石川くんがぱっと顔を上げた。

石川「2人の方っていうか、マサさんに会いたいんですよね」

声が詰まった。

何も言えない。

その通りだから。

『…そうですね』

石川「ですよね」

そう言い、石川くんが笑う。

でも、苦笑いって感じで。

『体調とか、悪いですか?』

苦しそうな感じがしたからバックの中をあさって、風邪薬とかないか探してみる。

すると、石川くんは手を離した。

驚いて石川くんを見る。

石川「体調、悪いな。」

『熱とかは?大丈夫ですか?』

私が顔をのぞき込むと石川くんはうつむいた。





石川「苦しい」





聞こえるか聞こえないかの声でそういった。

『えっ、どうしよう』
石川「そうじゃなくって」

私が慌てて持ってたハンカチを差し出すと、ぐっと押し返された。



石川「好きなの」







『へ』

石川「一目惚れしたんです。山口さんに。」

『いや、そういうのは…』

石川「信じてないんでしょ?」

『…まぁ』

石川「本気なんですよ。 マサさんの所行って欲しくないから。

苦しい…です。」






石川くんの一言一言で、
コンピュータの音や、観客の声や、アナウンサーの声が、止まる。

聞こえなくなる。




石川「無理なのは分かってます。

Aさんがマサさんの事が好きなこともなんとなく、わかってた。」

『えっ』

石川「わかってたからこそ、言いたくて。

スッキリするじゃないですか。」


私は、ハンカチを両手で握りしめた。


『ごめん…なさい』


涙が溢れてきて、止まらない。


石川「え、泣く?笑
どうしよ」

石川くんは、ぽんぽんと私の頭を撫でる。

石川「俺がマサさんならなぁ」

そういい、石川くんは、私の頭を更に優しくなでた。



石川「諦めるつもりはないんで。」






そしてそう言われた。

石川くんはじゃあ、すいませんでしたといいながら走っていく。




目にキラキラ光るものが見えたのは、きっと気のせい。

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ときた - ぴーちさん» そんなことないですよ、ご指摘嬉しい限りです(´;ω;`)ありがとうございます。頑張ります (2015年9月30日 19時) (レス) id: 7aa7d9cdfe (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち(プロフ) - いえいえ!!こちらこそ図々しくてすみません!!これからも更新頑張ってくださいね(/・ω・)/ (2015年9月30日 8時) (レス) id: 176d344022 (このIDを非表示/違反報告)
ときた - ぴーちさん» ご指摘ありがとうございます。今更変えてもあれなんでこのままにさせていただきます。 (2015年9月28日 12時) (レス) id: 7aa7d9cdfe (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち(プロフ) - あの、、、少し言いにくいのですが、石川選手は柳田選手のことを『マサ』って呼んでてお互いタメ口らしいです、、何かときたさんが考え敬語にしてたらすみませんm(__)m (2015年9月28日 7時) (レス) id: 176d344022 (このIDを非表示/違反報告)
ときた - Lさん» いや、嬉しいですよ笑 頑張ります (2015年9月27日 17時) (レス) id: 7aa7d9cdfe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ときた | 作成日時:2015年9月24日 23時

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