ボールに込めて。【柳田将洋】

ball 36 ページ41

あなたside

強烈なスピードでボールが相手コートに入る。

まるで、風がボールのあとを追うように吹いて、選手の髪をなびかせるような。

相手はボールをなんとか弾き返したものも、アタックエースが崩れたため、なかなか攻撃に入れない。

そこに帰ってきたボールを優しく重ね重ね深津選手が上げたボールに石川くんが助走をつけ飛び込み打ち込んだ。

バチーンと鋭い音がして、ボールがコート内を跳ね上がる。

バレーボールってこんなにかっこよくて、繊細なスポーツなんだって思って、思わず食いつくように見ていた。

相手もなかなかうまくて、将洋くんが狙われて何度も速いボールを身体に当てて返していた。

ものすごくかっこよくて。

あまり点数をとっても失点してもポーカーフェイスで次へ次へと展開を進めていく。



目は、将洋くん一色。


さくら「柳田くんすごい！」

さくらはボンボンとヘリウム風船を叩きながらやなぎだぁ！と叫ぶ。

その光景が面白くて。

微笑ましい。

１セット目は取ることができたが、

２セット目は、取られた。

３セット目でまた取り返して

４セット目でまた取られた。

なかなかいい試合をしていて、気づけばもう最後のセットになっていた。

ball 37→←ball 35

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す