それでも構わない (ページ30)

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２９話ページ30

Aside

勝利「A～、好きぃ～」

A「私も、大好き」

休日。

勝利というワナにはまっていっている気がする

休日と言っても、月曜日。

あの日から、仕事は辞めて、勝利が今就活中

今日はたまたま、大丈夫な日みたい

･

A「いままで、お世話になりました。」

会社でそう告げた

退職届も無事受理され、みんなとも別れた

健人「Aさん、どうしてですか」

A「健人、私には、勝利だけだから」

健人「それが、理由なんですか」

A「どうかな」

健人「…っ、行かないでください」

A「ごめんね。ばいばい」

私は腕を掴まれた

健人「諦めませんから」

健人は、そう言って、立ち去った

凛々しい後ろ姿だった

風磨「お前、やめんの」

A「まあね、楽しかったよ」

風磨「ちょくちょく会えない？」

A「無理かな」

風磨「…勝利？」

A「うん。勝利だけだから」

風磨は、私の頭をポンポンと撫でると、笑った

風磨「じゃあな」

頷いて、寂しさを紛らわせた

さき「うわああああ、寂しいよぉ～」

A「はいはい、じゃあね」

さき「連絡する！」

A「待ってる」

さき「泊まりに来てよ！」

A「りょーかいっ！」

さきとは、そう約束した。

この約束は果たされないのに…

･

携帯は、番号、メールアドレス、機種、その他全て変えられた

登録先は、勝利だけ

外出していいのは、勝利と一緒にいる時か、勝利に電話して、許可をとってから。

繋がらなかったら、待機。

死刑囚みたい…

そう思うかもしれないけど、

私はこの生活、満足してる。

私を愛してくれる、勝利

私はただ、勝利だけを愛せる

勝利の全部が好き

どうしよ

好き

･

健人

元気にしていますか？

風磨、さき

仲良くしてますか？

たまに、気になるんだ

＿＿＿＿＿健人、私のこと、諦めてませんか？

･

でも、無理なのはわかってる。

私には勝利だけだって。