それでも構わない (ページ3)

今日:6 hit、昨日:10 hit、合計:50,295 hit

２話ページ3

貴女side

健人「A先輩、好きです」

貴女「私、結婚してるの。知ってる、よね？」

健人「…はい」

何を言ってるんだこの子は。

大人をおちょくるのはよせ。

貴女「え？ごめんね？」

健人「それでも構わない、です。俺は」

貴女「ごめんなさい」

健人「です…よね。急にごめんなさい！びっくりしましたよね。でも、本気なんで。帰ります、さよなら」

なんだぁ？あの子。

何も言えなかったよ。早口で。

なんだったんだろ？

倦怠期って、知ってたりして？

今チャンス！みたいな(笑

ありえないね、うん。

健人くん、ありがとね。

私は今夜勝利と、仲直りするの。

今日は、残業しない代わりに、中島くんから、告白された。

３０分は早くつくつもりだったのにぃ～！

家の扉の前に立つ。

貴女「よしっ！」

ドアノブに手をかけ、勢いよく引いた。

貴女「た、ただいまー！」

勝利「おかえり」

え～、テンション低いな。

いつもの事だけど。

リビングに向かう。

台所に立つ勝利にまた言った。

貴女「勝利、ただいま」

勝利「え、いつもは２回も言わないのに」

貴女「勝利～、」

って、台所に立つ、勝利に抱きついた。

勝利「ど、どした？」

貴女「今日の夜ご飯は？」

勝利「ん～？親子丼」

貴女「え、すごっ！好きだもんね、勝利」

勝利「まぁねぇ～」

昔のように喋れてる！

貴女「じゃ、お風呂入ってきてもいい？」

勝利「あ、ちょっと、待って…？」

貴女「うん」

何…言われるんだろ？

勝利が、火を消して、大きめのソファに座った。

勝利「ん！」

って言うから、もう１個の１人用のソファに座った。

勝利「…こっち」

勝利は、自分の隣をとんとんとする。

少し離れた所に座ると、勝利は、

自分から、こちらに体を寄せてきた。

貴女「どしたの？」

勝利「最近、ごめん。ずっと謝りたかった。それだけ」

勝利が、離れていこうとするから手を引いて、強制的に座らせる。

貴女「私も、ずっと、謝りたかった。ごめん、勝利。ずっと愛してる！」

勝利「僕も、愛してるよ」

貴女「好き」

勝利「僕に言わせてよ」

貴女「じゃ、言って？」

勝利「…すき。Aが、好き」

久しぶりに呼ばれる名前。

見つめあって、どちらからともなくキスをした。

チュッとリップ音をたてて、離される唇。

幸せ。

健人くん、ごめんね。

私、今幸せなの。