下手すぎる【爆豪勝己】 (ページ2)

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下手すぎる　1 ページ2

Aもうすぐ家着く7:00
A全部終わった9:30

10時に仕事を終えた俺がAとのトーク画面を開くともう家にいるという報告。

先に帰った方が食事を作り、後に帰ったほうが皿を洗う。今日は皿洗いか。

そんなことを思いながら駐車場に向かっていると

「バクゴー！久々に飲まえねぇ？」
「あﾞ？普通に嫌だわ」
「何だバクゴー、今日はあれか？かn((「うっせぇ黙れアホ面死ね」ひどくね！？！」

それ以上絡まれるのもダルかったし何より早く帰りたかったのでそのまま無視して車に乗り込む。
今から帰る
A了解気をつけて帰ってね

すぐに返ってきた返信に頬を緩ませる
…さっさと帰るか。

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『あ、勝己お帰りー！いつでも食べれるよ』
「晩メシ何だ」
『シチュー！』
「嘘ついてんじゃねぇ」

この匂いは…カレーか、等と思いながら手を洗う

座ってていいよというAの好意に甘えて座って待っていると綺麗に盛り付けられたカレーが出てきた。

ツヤツヤの白米
程よい硬さのじゃがいも
口の中で解ける肉
俺好みの味
そして、

緑色の、ルー

慣れというのは怖いもので、もう何も感じなくなった。むしろマシになった。
青のルーの時代に比べたら余程マシだ。

そのまま他愛もない話をして食事を終える。

皿洗いも済まして手持ち無沙汰にテレビをつける。
特に興味がある番組があるわけでもなく、次々とチャンネルを切り替えていると、ある料理番組を見てAが一言

『美味しそう……』

………しまった。久々にやらかした。
暫くは外で飯食うか、等と考えていると

『明日私早番だからご飯作って待ってるね』ﾆｺｯ

先手を打たれた。
“待ってる”と言われて帰らない彼氏がどこに居る。

Aは、料理が下手だ。
味は美味いがどう作っても見た目が悪くなる。
4年前同棲したての頃。どう作ったらこんな見た目になるんだと料理工程を一通り見たが特に何をしたわけでもないのに爆発するわ黄色くなるわで心底ビビった。

反対に、偶に出る見た目の良すぎる料理。
今度は味が悪くなる。
見た目は魚のムニエルなのに味が言葉では言い表せないような変な味だったりする。

…頼むから、料理もっと練習してくれ。

そう思いながらAが作ってくれた料亭に出てくるような見た目の料理を頬張る。

…クソ可愛い顔で見やがって “不味い”なんて言えねぇじゃねぇか。