舞台袖から-3 ② (ページ35)

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何とかこの状況を切り抜けようと、ジャケットの中からマジック道具を取り出す。

「くそっ、これでもくら……」

いや、取り出そうとした。オレがジャケットを広げた隙間からジョディさんが手を突っ込んで中をあさり、挙句にあるものを取りだしたのだ。

「え？」

ジョディさんが取り出したもの以外のものがジャケットから溢れて飛び出すが、そんなことには構ってられない。

ジョディさんはオレのジャケットの中から取り出したあるもの、オイルを口に含むと、同時に取り出したライターに火をつける。そしてオレが驚いていることなんてお構い無しに、彼女は階段をあがってくるスネイクの前に立った。

ブオッと音がして熱風が辺りを駆け抜けた。

なんと彼女は、階段の下にいるスネイクに向かって火を吹きかけたのだ。

「ハ！ざまーみなさい！！」

腰に手を当てそういう彼女に、思わず目が点になる。

さすがジェームズ・ホッパーの孫娘……。

マジックの腕前も然る事ながら、その肝の据わりっぷり感心する。

「このアマ！！」

ジョディさんを呆然の見上げていると、先程の彼女の攻撃により少し焦げたスネイクが、怒って銃を乱射してきた。

「わっ」

慌てて彼女を抱き上げて、足元に飛んでくる弾丸をワタワタと避け、階段を再び駆け上がった。