舞台袖から-3 ② (ページ27)

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「ところでA」
「ん？」

誰にいつ変装するのかなど、細かい事をつめていると、急に黒羽くんが切り出してきた。

「この展望レストランの回転装置、いじれるか？」

そう言って黒羽くんが見せてきたのは、ホッパー奇術団のディナーショーが行われる港ホテルの最上階にある、展望レストランの写真。

このレストランはちょっと有名なレストランで、なんとびっくり回るのだ。レストランのすぐ下に回転装置があり、それにより展望レストランはゆったりと回る。ディナーを楽しみながら、全方位の景色を楽しめるということで人気のレストランなのである。

黒羽くんが言ったことを頭の中で反芻する。回転装置をいじれるか。どうだろうか、この回転装置がプログラムで制御可能ならなんとでもできるだろうが、そうじゃなかったら私にはちょっと無理だ。

一応ダメ元で、港ホテルの回転レストランの仕組みを調べてみる。すると、なんともタイミングのいいことに、つい最近回転装置をプログラム制御に切り替えたらしい。

「いじり放題」

ニヤッといたずらっ子みたいな悪い笑みを浮かべて言うと、黒羽くんも同じように悪い顔をした。

「じゃあ、オレが言った時に超高速回転頼む」

遠心力で吹っ飛ぶくらいギュンギュンに回して欲しいらしい。コーヒーカップじゃないんだから……とは思いつつも、ちょっと面白そうで、くすっと笑みがこぼれた。