舞台袖から-3 ② (ページ22)

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やれやれと思いながらスマホに目を戻す。

記事を読み進めていくと、そこにはキッドを挑発するようなことも、警察を煽るようなことも、両方かかれていた。

まーこのキッド様が本気になりゃ、こんな宝石の1つや2つ……。

今回の仕事も警部が相手なら余裕だなと思い、キッドの登場にあがる歓声を思い出してニヤニヤと頬を緩めた。

「やめた方がよくってよ！！」

突然うしろからそう言われた。

少し驚いて、声がしたほうに顔を向けると、そこにはいつも変な占いだかお告げだかを言ってくるクラスメイトがいた。

「あ、紅子？」
「やめるって？」

オレが突然話しかけてきたそいつの名を呼んだ後、青子が不思議そうに尋ねた。

「怪盗キッドに言ってるのよ！」

紅子はご丁寧にオレのほうを見ながら、真面目な顔をして今回のオレの獲物である宝石について話し始めた。

「あのルビーは、手に入れようとする者に必ず災いをもたらすという悪魔の石……赤い涙……」

紅子のだす雰囲気にあてられ、思わず青子と二人、息をのむ。

「でも、キッドがどーしてもって言うんなら仕方ないけどね……」

フフフと怪しげに笑いながら、紅子は髪の毛を手で払った。そしてそのまま、オレ達に背を向けて離れていく。

オレはさっき紅子がいったある言葉に引っ掛かりを覚え、思わず椅子から立ち上がって去ってく紅子の背を見た。

赤い涙？まてよその宝石確か……昔、俺のおやじが……