舞台袖から-3 ② (ページ21)

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『怪盗キッド、またまた宣戦布告！！狙いはホッパー記述団が所有する世界最大のルビー！！』

朝、学校でオレがいつも通りネットニュースを漁っていると、そう書かれた記事が見つかった。

キッドから予告が来たとなれば、その情報はすぐにマスコミに広がり、いつも新聞やらニュースやらで大々的に取り上げられる。

世間の関心がどれほど怪盗キッドに寄せられているかはその記事を見れば一目瞭然だ。

今回狙うルビーはオレと芦原が探しているパンドラである可能性が高い。

既にいつもより気合が入っている。しかし、これだけ世間の人たちも注目していると分かれば、さらにやる気が満ちてくる。

今回もファンの期待に応えるかとオレが気を引き締めていると、いつの間にか後ろからオレのスマホを覗き込んでいた青子が、水を差すようなことを言ってきた。

「ったく……何度やられてもコリないわね。あのコソドロさん！」

オレが警察、ましてやあのへっぽこ中森警部にやられたことなんて一度もない。しかし、青子はオレが警部にやられっぱなしだと思っているらしい。

大方、オレがいつも盗った宝石を返したり、わざと盗らなかったりしているのを、警部率いる警察が守り通しているとでも思っているのだろう。

バーロ、わざと取ってねーんだよ！目当ての宝石じゃねーからな！

声には出さず、心の中でそう言う。せめてもの抵抗として、じとっとした目を向けながら。

しかし、青子はネットニュースの記事を見るのに夢中らしく、オレの目に気付くことはなかった。