舞台袖から-3 ② (ページ17)

今日:40 hit、昨日:45 hit、合計:11,631 hit

ページページ17

一瞬何のことか分からなくなったが、流れ的にきっとあの匂わせのことなのだろう。

告白させちゃおう大作戦。あながち間違ってはいないけれど、黒羽くんに正体を告白させるのと、いつの間にか結衣の中で私に彼氏が出来ているのとどう関係があるのだろうか。

不思議で首を捻ると、結衣は額に手を当て、あちゃーとでも言わんばかりの表情になる。

「せっかく広瀬くんと2人にしてあげたのに、付き合ってないなら失敗じゃんか……」

ああ、やっぱりあの時翔と私を会わせたのは結衣だったのかと納得する一方で、私はもう一度首を傾げる。

「翔関係なくない？」

なぜ急に翔が出てくるのだろうか。だって、私が知りたかったのはキッド＝黒羽くんだということであって、翔はこれっぽっちも関係ないのだ。

「告白させたいの広瀬くんじゃないの！？」

天地がひっくりかえったような、信じられないというような目で私を見る結衣に対して、私の頭の中はクエスチョンマークがずらりと並ぶ。

結衣が何を言いたいのか分からなくて、とりあえず首を傾げてみる。すると、彼女は呆れたように口を開いた。

「だから、広瀬くんのことが好きだけど告白は自分からできないからさせちゃおうってことでしょ？」
「はあ！？違うけど！？」

結衣の口から紡がれたのは衝撃的で、思わず私も立ち上がってしまう。

ガタッと音を立てて椅子がひっくり返る。

近くにいた人の視線が一瞬だけ集まったような気がした。