舞台袖から-2 (ページ17)

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モズに着くと、キッドから予告が出されたという速報でネットニュースはいっぱいだった。早朝に美術館のポストに入れておいた予告状に、館長が気づいて警察に通報したらしい。

ハンバーガーを待っている間にニュースを確認してほくそ笑んでいると、またキッド？？と青子が呆れと苛立ちを混ぜた顔と声で尋ねてきた。

「おう、さっき見た澄んだ海(クリスタルオーシャン)を明日22時に、だってさ」

そう教えてやると、彼女はいつも通り苛立った声をあげた。

「キッドなんかねー、次こそお父さんに逮捕されちゃうんだから！！！」
「あんなヘボ警部にキッドが捕まるわけねーだろ！」

いつも通り言い返してケケケ、と笑うと、彼女は何よー、と更に顔に怒りを表す。そこでタイミングよく自分達の番号が呼ばれたので、逃げるように立ち上がってカウンターに受け取りに行く。

頼んだものが揃っているか確認し、番号札と引き換えに2人分の商品の乗ったトレーを受け取って席に戻る。ほらよ、と言って机に置くと彼女はまだ少し怒った様子のままありがと、と返した。それを聞いてから席に座りハンバーガーの包みを広げようと手を伸ばしたところで声がかかった。

「あれ、快斗と青子ちゃんじゃん。席近いのに気づかなかった」
「広瀬くんもお昼ご飯？」
「そーそ、ここが一番あの美術館から近いからね」

何故か知らないが今日はよくこいつに会うな、と思いながらおめーも来てたのか、と短く言う。

翔も昼飯らしく、トレーを持っていた。トレーには2人分のハンバーガーのセットが乗っていた。青子の言う通り誰かと来ていたらしい。

「誰と来てんの？」

トレーを見ながらそう尋ねる。青子も気になったようで、もしかして彼女！？なんて楽しそうに聞いていた。