1《瀬川 創平》過去−1 ページ6
「姉さん! 大丈夫!?」
「うっ、がっ……」
目の前で姉が薄桃色の結晶を生やしながら、吐血した。異常事態だと、一目で分かった。でも、どうすればいいかが分からなかった。
すぐさま救急車は呼んだが、まだ来てくれない。
どんどん衰弱していく姉を前に、僕は何もする事ができず、ただ救急車の到着を今か今かと待っていた。
でも、救急車が到着した丁度その時、姉は息絶えた。何度も血を吐き、最後には気絶して、僕の目の前で、死んだ。
その時には、結晶は身体中に生えていて、不謹慎だけれど、その姿が神秘的で、とても綺麗だった。「綺麗なまま死にたい」そう言っていた姉だが、こんな形で叶うなど、なんという皮肉だと思った。
姉の死因はH-Krist。俗に結晶病と呼ばれる病気だった。
美しも残酷に命を削っていく結晶。僕はそれが憎たらしくて仕方なかった。
それから僕は、結晶病専門の医者になるために、勉強をした。現在分かっている事を調べ尽くした。
やがて、僕は必要な資格を揃えて、本格的に結晶病について研究できる、研究者になった。結晶病が治せれば、この際、医者ではなく研究者でもいいと思った。
結晶病には謎が多く、誰がどういった原因で発症するのかも分からなかった。研究は完全に暗礁に乗り上げた。
「どうすればいい……」
その時、僕は必死になり過ぎていて、視野狭窄に陥っていた。
だから……あんな事が起きた。
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夕暮れの紅猫(プロフ) - へしろさん» はい、頑張ります。 (2017年8月11日 22時) (レス) id: bc75671915 (このIDを非表示/違反報告)
へしろ - 夕暮れの紅猫さん» そうですね(笑)コーゾーの漢字も初めて出したので、楽しみにしています。 (2017年8月11日 21時) (レス) id: 8a764b3567 (このIDを非表示/違反報告)
夕暮れの紅猫(プロフ) - へしろさん» いえいえ。こちらも、ライアスをよく使ってくださってありがとうございます。過去話、うまく書けるといいのですが……(しかし、ここまでライアスの話が多くなると、実はライアスが3人の中で一番気にいってるキャラとバレてしまう(><)) (2017年8月11日 11時) (レス) id: bc75671915 (このIDを非表示/違反報告)
へしろ - いやぁ、ライアスさんカッコよすぎです。惚れるわ……。コーゾーのほうも書いてくださってるようで、ありがとうございます! (2017年8月11日 11時) (レス) id: 16521b6000 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夕暮れの紅猫 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年8月3日 2時