3《レイナ》過去−3 ページ4
このおかしな石が腕に生える事は何回もあった。その度に、親に気持ち悪いと言われたので、出さないように頑張っていたのだけど、また生えてしまった。
引っ込め、引っ込め、そう思っても、足や顔、体の至る所から変な石はピシッ、ピシッ、と生えてくる。
そして、涙も流れ続けた。
「うぅ、うぅ〜」
声を出しそうになって、お父さんを起こしてはいけないと、唇を噛んだ。
『捨てておけ』
妹の死体を見て、お父さんの言葉が思い出された。
ずるっ、と妹を引っ張る。痩せ細った妹の体は、それでも私には、重かった。
涙を流しながら、石を生やしながら、私は妹を引きずった。それがどうしようもなく、胸をぎゅうっと締めつけた。この変な石が生える時は、いつも胸が苦しい。きっと、この石のせいだ。
ゴミ捨て広場に着いた時には、朝になっていた。妹を引きずっていて、拭けなかった顔は涙と鼻水でぐしょぐしょだった。
「う、うぅ〜」
声を出さないように頑張っていたので、喉が痛かった。
全部、全部、この石のせいだ！
背中が変に重くて、多分、背中にも大きいのができたんだな、と思う。
妹をゴミの上に置くと、もっと嫌な気分になってきて、妹をもう一度引っ張って、自分の方に寄せた。その拍子に背中から倒れてしまって、バキバキバキ、と石が割れる音がした。破片が背中に当たって痛かった。でも、それよりも、胸が痛かった。
「う、うあー！ うあー！」
どうすればいいか分からなくて、どうしようもなくて、大声を出した。胸の苦しさを吐き出してるみたいだった。
ピシッ、ピシッ、と石が生え続ける。顔からも生えているのが分かる。
「うっ、ごはっ」
口から血が出た。抱き寄せていた妹の頭にかかった。視界がぼやけて、腕に力が入らなくなってきた。
「うぅ、がはっ」
涙は枯れてしまって、涙と鼻水が乾いてカピカピになって、だけど、胸の苦しさだけは取れなかった。
……あぁ、私、死ぬのかな。
目をつぶった。このまま妹と同じように死のうと思った。
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夕暮れの紅猫(プロフ) - へしろさん» はい、頑張ります。 (2017年8月11日 22時) (
レス) id: bc75671915 (このIDを非表示/違反報告)
へしろ - 夕暮れの紅猫さん» そうですね（笑）コーゾーの漢字も初めて出したので、楽しみにしています。 (2017年8月11日 21時) (レス) id: 8a764b3567 (このIDを非表示/違反報告)
夕暮れの紅猫(プロフ) - へしろさん» いえいえ。こちらも、ライアスをよく使ってくださってありがとうございます。過去話、うまく書けるといいのですが……(しかし、ここまでライアスの話が多くなると、実はライアスが3人の中で一番気にいってるキャラとバレてしまう(><)) (2017年8月11日 11時) (レス) id: bc75671915 (このIDを非表示/違反報告)
へしろ - いやぁ、ライアスさんカッコよすぎです。惚れるわ……。コーゾーのほうも書いてくださってるようで、ありがとうございます！ (2017年8月11日 11時) (レス) id: 16521b6000 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夕暮れの紅猫 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年8月3日 2時
