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んー？と呑気に返すAに、耳郎は言葉を続けた。
「ねえAさ、ヴァイオリンやってたって言ってたよね」
『うん。ん？』
「あのね、バンドでヴァイオリン入れてるとこもあるのね」
やっぱりAはいつもの笑顔の方がいい。
一緒にバンドやって、元の彼女に完全に戻る手伝いはできないかもしれない。迷惑かもしれない。
でも、私はいつものAがいい。
何かに打ち込んだら、きっとずっと楽しくなれると思うから。
「A、ヴァイオリンで入ってくれない？」
『…え、まじ？いいの？』
「うん。むしろやってほしい」
『うん。…うん、いいよ。むしろぜひって感じ』
ぱああっと顔が輝いて、そんな顔を見て耳郎も笑う。
周りのA組みんなも“ヴァイオリンすんげえ！“やら“かっけえ！“やら良い反応を見せていた。
「頼んだよ氷室君！」
『…うん、任されました！』
「頑張ってねAちゃん！」
『がんばる！！』
ご丁寧にガッツポーズまでするAをよそに、“あとギター2本欲しい！“と耳郎が言った。
「うぇーーい、やりてえ！楽器弾けるとかかっけえ！！」
「やらせろ」
「俺弦切りそう」
「やりたいじゃねえんだよ、殺る気あんのか？」
『あーね、これが例の』
爆豪が“雄英全員音で殺る“と言ってたんだよ、と葉隠から聞いていたAは納得した表情を見せた。
『私も殺る気で殺ろーっと』
「殺らないで！？ほんとに殺っちゃダメだよAちゃん！！」
『うん……？』
「うん！？！？！」
そんな漫才のようなやりとりをしているお茶子とAの横では着々とギター担当が決まっていく。
“ギターはバンドの花形“と豪語する上鳴。上手くてびっくり。
峰田はそもそも手が届いてなかった。
そして、常闇。
「なんって切ねえ音出しやがる……！」
「弾けるのか！？なぜ黙ってた？」
「Fコードで一度手放した身ゆえ」
Fコードは初心者がつまずく最初の難関である。あれ届かないんだよね、指一本一本が。
いじけていた峰田はダンスでのハーレムパート制作を餌に釣られ(言い方)、そして深夜1時を回った頃。
「よーし、これで全員役割決定だ！」
バンド・演出・ダンス。この3つに分かれて、明日から文化祭のステージへ、コツコツ努力を続ける。
『…響香、頑張ろうね』
誘ってくれてありがとう、と微笑むAに、耳郎も笑みを返す。
明日から忙しくなりそうで、それもどこか楽しみ。
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めろ(プロフ) - 大好きな作品なのでずっと更新待ってます！！！ (1月31日 10時) (
レス) @page29 id: a428350e37 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 更新待ってます!! (2023年1月6日 0時) (レス) @page28 id: 293bfee8ad (このIDを非表示/違反報告)
天つゆ(プロフ) - 更新待ってます！！ (2022年11月2日 22時) (レス) id: cff6f7121f (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 終わり、ってなっちゃってるんですけど終わらないですよね…！！？とても大好きなので更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2021年12月27日 20時) (レス) @page29 id: e49e142c99 (このIDを非表示/違反報告)
グク - この作品大好きです。更新待ってます！ (2021年12月10日 15時) (レス) @page20 id: 3c9247ce93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なんなん | 作成日時：2021年10月2日 14時
