突然ですが、幼なじみ追っかけて雄英に入りました【轟焦凍】 (ページ11)

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じゅうわページ11

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極力彼と目を合わせないようにはしていたが

流石に逃げ切ることは出来なくて

個性把握テストの順番待ちの時、彼は不機嫌そうな顔をして私の元へ

「おいA。聞いてねぇ」

「当たり前じゃん。言ってないもん」

「なんで言わなかった」

「聞かれなかったし」

「それでも教えろよ」

「サプライズってやつさー」

「..」

半分赤髪、半分白髪

そして顔に火傷のあとがある彼

ご存知、幼なじみである轟焦凍が

眉間に皺を寄せながら無言で私にデコピンをする

『いだっ』と女の子らしくない声を上げ、私はおでこを抑えてしゃがみ込む

個性を上手く操れるようにと指先まで鍛えている彼のデコピンは

ありえないくらい強くて痛い

下手したらザコレベルのヴィランなら倒せるんじゃないか、と常々思う

「ぼ、暴力はんたーい..！」

「黙っていたお前が悪い」

「でもこの仕打ちはないじゃん！」

「俺がイラついたから仕方ねぇ事だ」

頬を膨らませ、恨めしそうに幼なじみを見上げる

その様子の私は、きっと可愛らしさの欠片も感じないだろう

焦凍は私を見て『..ったく』とため息を一つ付き、私に手を差し伸べる

私はその手を掴んで立ち上がる

ついでに仕返しで、手の甲に小さく刃先を出現させ、その手で思いっきり彼の手を握る

彼は『い"..!?』となんともいえない声を上げ、小さく私を睨む

そんなタイミングで、先生が「次ー7番風娜多と8番上鳴ー」と言う声がして

私は逃げるようにスタートラインに向かう

「お、今日ギリギリに来た子じゃん」

「どーゆー認知の仕方よ」

「いや、それの印象が強いし..あ、俺上鳴電気な。よろしく」

「風娜多Aです。こちらこそよろしく」

1種目目、50m走

いくぞーという声が聞こえて、私は『飛ぶ体制』を取る

『ヨーイ..START！』

ドンッ

私の足は大砲の形に代わり

空砲で、ゴール上空まで飛んだ

風娜多 A 【記録：8秒02→1秒96】