177，分かりきった事、でも ページ1
病室は依然として、緊張の糸が
張りつめられていた
「つまり…自分らで
爆豪の救出に行くって事？」
芦戸ちゃんが
一筋の汗を流しながら確認する。
それに轟君が頷いた
「爆豪を生かして攫ったとは言え、
殺されないとも限らねぇ。俺と切島は行く」
「ふっっっざけるのも大概にしたまえ！！」
堪忍袋の緒が切れた飯田君は、
肺の中にあった空気を
全て出し切ったように叫ぶ
「落ち着け飯田。
切島達の何も出来なかった悔しさも、
轟の眼前で奪われた悔しさも分かる」
私達と同じ現場にいて、
同じ思いをした障子君が飯田君をなだめた
「俺だって悔しい、
だがこれは感情で動いていい話じゃない」
「そうね。爆豪ちゃんが攫われて
ショックなのは分かるわ。だけど…」
眉を下げながら、
控えめに声を詰まらせる蛙吹ちゃん
「どれほど正当な感情であろうと、
また戦闘を行うと言うのなら…
ルールを破ると言うのなら…
その行為はヴィランのそれと同じなのよ」
…重い空気が空間を支配する。
何が正しくて、何が過ちなのか。
分かりきっている筈なのに、
互いにすれ違うばかりで
意見は二極化する。
「私も反対…かな。だって、(人2)ちゃん…
狙われてるんだよね？
もし(人2)ちゃんも行くんだとしたら、
自分から捕まりに行くようなものなんよ？
そんなの…私は賛成出来ないよ」
「麗日ちゃん…」
私はあの時、攫われなかった。
しかし、確かに仮面の男は
私を捕える事も目的の１つだと言っていた。
やっぱり私じゃ…駄目なのだろうか。
どうする事も出来ないんだろうか…
「もしもし、(人1)さんの
診察時間なんだが…いいかな」
コンコン、
と開けてあるドアをノックして
入って来た医者を見た皆は
緊張が解けたのか、肩を下ろした。
「い、行こか。
耳郎と葉隠の方も気になっし」
言い出し人の瀬呂君を先頭に
皆が、しぶしぶ部屋を出て行く。
そんな中、切島君だけが
私の前に立ち尽くしたままだった
「(人1)」
小声で真っ直ぐに
私の名前を呼ぶ切島君は真剣そのもの。
「八百万には昨日話をした。
行くなら即行…今晩だ」
今晩…か
考える時間はあまりないようだ
「重症のおめーが動けるかは知らねぇ。
それでも誘ってんのは…
おめーが一番悔しいと思うからだ」
…よく分かってらっしゃる。
その通りだ、
クラスで切島君と轟君以外、
誰一人背中を押す者はいないのに
行きたくて仕方がないよ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 429人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
無希(プロフ) - 潮来さん» キィエエエエめてぇってなんだああああああ！！このまま醜態を晒すところでした…大変ありがとうございます！！これからもどうかよろしくお願いします！！ (2017年10月21日 5時) (
レス) id: 118de6b2c1 (このIDを非表示/違反報告)
潮来(プロフ) - 220の勝己くんのてめぇがめてぇになってますよ。更新お疲れさまです！ (2017年10月21日 3時) (レス) id: ec5387fe16 (このIDを非表示/違反報告)
無希(プロフ) - うーさん» あ、ああありがとうございます！！素直に嬉しいです！ (2017年4月3日 0時) (レス) id: 8be4045229 (このIDを非表示/違反報告)
うー - 絵うま！ (2017年4月2日 16時) (レス) id: 1972a319ca (このIDを非表示/違反報告)
無希(プロフ) - 白さん» うわぁああ白さんがハイネックセーター着てる！！安心しました(笑)わかります、真堂君の大物感！これから絡みがあるといいなぁと私も原作様に期待しているところです、来てくださりありがとうございました！！また遊びに来て下さいね！ (2017年2月17日 17時) (レス) id: 49d50710cb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：無希
| 作成日時：2016年11月14日 2時
