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鋭児郎といると、時々涙が出そうになる。好きすぎて、感情が高ぶって、自然と流れ出してしまうことがある。一人の女として、恋愛対象として見てもらえないのが悲しいとかじゃなく自然と。
君に言葉にしてちゃんと伝えられないのは悔しい。愛される意味ってなんだろう。愛される定義とはなんだろう。最近、そんなことばかり考えている。
片想いしてから何年経つかは分からない。気づいていたら好きになっていた。好きになっていく内に、心の中がドロドロとしたモノになっていく。自分の心を誰かに見せられないくらい汚れてきている。
鋭児郎と一緒にいると色々な思いをする。お茶子に言われなくても、離れなくちゃいけなくなっていたかもしれない。
今の自分を見せたら、きっと鋭児郎に嫌われてしまうから。
「…鋭児郎、送ってくれてありがと」
私の家の近くまで来た。鋭児郎が「おう」と返す。鋭児郎の家は私の家の、斜め向かい側にある。
「A」
「…どうしたの？」
鋭児郎が、私の肩まである髪の毛に触れる。すると、片方の髪の毛を私の耳にかけた。
「うん。やっぱり耳出してた方が似合うな」
彼は笑って言った。日が沈み、辺りは真っ暗だったが月の光で鋭児郎の顔が見える。
右の頬につー、と雫が伝った。鋭児郎の目を見開く顔が、ぼやけて見えない。
「あれ、何でだろ…っ」
言いながら、涙を制服の袖で拭う。とうとう涙が流れてしまった。鋭児郎のことを改めて好きなんだと思ったら、急に溢れでてきてしまった。
「どうした？…あ、もしかして髪の毛に触れたのが嫌だったか！？」
鋭児郎は、困った顔で心配そうに言った。それに対し、「ううん、違うの」と首を振る。
「本当に、なんでもないから…っ」
鼻声になりながら、私は顔を見られたくないために横を向く。
「本当に大丈夫か？」
「うん、大丈夫だから気にしないで」
私は「じゃあね」と一声かけて、逃げるように家に帰った。
＿＿＿泣いちゃった。
堪えられなかったのだ。悲しくはなかったが、私に優しくする鋭児郎を見たら勝手に涙が流れていた。理由は分からない。けれど、何処かで好きすぎて感情が高ぶると泣く人もいるというのを聞いたことがある。私はきっとそれだ。
明日、顔合わせられないな。あ、でも避けるからどっちみち顔合わせないよね。
今日泣いたことが丁度良かっただなんて思ってしまう自分は、本当に弱虫だ。
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ムー - 屋上から社会資料室にいつの間にか移動してる……？いつみても可愛いです！特に社会資料室での壁ドン？はドキドキしました！ (2022年9月4日 23時) (
レス) @page28 id: 812daaa6d6 (このIDを非表示/違反報告)
無気力に自信が有る人 - がわ”い”がっ”だでず〜！キュンキュンしました！ (2022年2月3日 18時) (レス) @page35 id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - 切島くんオチの小説は初めて読んだけど、凄く面白かったです！恋する夢主ちゃんはめちゃくちゃ可愛くて、特に告白シーンは最高でした！ (2021年10月5日 19時) (レス) @page35 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
てちじろく - 最高…続きがよみたい…！！！お願いします！！ (2021年6月3日 12時) (レス) id: ce64caf93a (このIDを非表示/違反報告)
Mizu(プロフ) - めっちゃキュンキュンしましたーーーーー！！！最初から両片思いだったなんてちょー可愛すぎます (2020年5月15日 13時) (レス) id: 4855926a40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Hermia x他2人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kakuumusou1/
作成日時：2018年1月3日 23時
