【MHA】雨のち、虹色。【轟】 (ページ6)

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あと数ミリでキスしてしまうくらいの至近距離で、轟と見つめ合う。

「……落とすって何をだ？」
「へ？」

思わず間抜けな声を出してしまう。

もしかしてこのこの子、天然？いやいやまさかね。あまりにも思いがけない反応で脳内会議が自分の頭の中で繰り広げられる。

＿＿あ、思い出した。轟は告白をしてもあまりにも天然な反応で、フラれてもいない女の子達が好きであることを諦めてしまうほどの超ド天然だった。学校で噂になっていたのに、どうして早く気づかなかったのだろうか。これじゃ、やってしまった自分が恥ずかしいだけじゃない。

やってしまった感と、羞恥心が同時に来て、顔に熱が一気に集まった。今までに無い熱さだ。こんなに自分の行動が恥ずかしいだなんて、思ったこと無かったのに。

「……っ私のこと好きにさせろってこと！」

もうやけくそになりながら、言った。顔が赤いとか気にしない。恥ずかしいとか思ったのも気のせいだ。しかし、轟の反応はまだ薄い。これは友達として、と勘違いをしてるということを察した。続けて、分かりやすく言う。

「勿論、恋愛感情としてね！」

ハァ、と溜め息をつく。これなら流石にド天然の轟でも分かるだろう。

「＿＿＿っ！」

轟が目を見開いて私を見る。けれど、すぐに逸らしてしまう。私も照れ臭くて、下を向く。轟はなんて返すのだろう。とても緊張した。

「……なら、付き合ってみるか？」

顔をゆっくり上げて、轟の顔を見た。その顔は口角が少し上がっていた。優しい表情だった。それは、本心で？轟の感情がまったく分からない。

「それを言うのは私が好きだから？」

もう、どういう心境なのか知れればいいやとポツリと吐き出す。

「そうだ」

轟は迷いの無い、真っ直ぐな目で言った。

「で、付き合うのか？」

あとは私が返事をするだけだ。

私は迷わず、コクリと頷いて返事をした。