【MHA】Family shape【爆豪】 (ページ12)

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Shape＿10 ページ12

かっちゃんが起きても、体は高校生のかっちゃんのままだった。

面倒臭いことは正直嫌だが、倒れていた子供を助けてしまったのは自分だ。その男の子がたまたまヒロアカのキャラだっただけで。普通は無いことが、現実に起こっていて。

それでも、非現実的なことを受け入れかけてしまってる自分がいた。色々なことが起こりすぎて、動揺すらしないくらいには。

「まず、聞きたいことがあるんだけどいいかな？」

リビングに移動し、かっちゃんにお茶を出してあげる。自分の分もテーブルに置き、座った。

「さっき言ってた“体戻ったか”ってのはどういうこと？」

一番最初に知りたかったことを訊く。

風呂で湯気が沢山出た後、かっちゃんにまだ意識があった頃。彼はまるで体を小さくされていたかのように、体が戻ったと言った。

その言葉は、中身が高校生のかっちゃんでしか言えない言葉なはずだ。

「小さくされちまってたんだよ」

眉間に皺を寄せながら、言った。
やっぱり小さくされていたんだということを知る。

「じゃあ、つまり中身は高校生のかっちゃん？」

口内が乾燥し、お茶で喉を潤した。

かっちゃんが少し驚いた顔をして私を見ている。高校生、という言葉を出したからだろうか。

「何でお前が俺の年齢しってんだよ」

案の定、高校生という言葉を出したのが理由だ。

かっちゃんが私を疑う目で見た。風邪で倒れていた貴方を助けたのは誰だと思ってんのよ。そんなに警戒しなくたっていいでしょ。

喉元まで出かかっていた言葉を抑えて、年齢を知っていた理由を言う。スマホで“僕のヒーローアカデミア”で画像検索して見せた。

「私が年齢を知っていた理由は、かっちゃんがこの漫画のキャラクターだったから。かっちゃんは、この漫画に出てくるキャラクターなの」

画像を適当にスライドして見せ、家にあった単行本もかっちゃんに渡して、見てもらった。

「なんで……っ！」

別の世界に来てしまっていたことに驚いたのか、かっちゃんは俯いて言った。が、またすぐに顔を上げ、単行本に再び目を通す。

「なんで、クソデクが主役なんだよっ！」

そう言うと、単行本をBOOMと爆発し、跡形も無く粉々にしてしまった。

そっちかよ。てか私の漫画！

私の大切にしていた漫画が粉々になるなんて。

(「わ、私の漫画があぁぁああ！」)
(「うるせぇ！」)