和輝の恋人

☆ ページ46

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クリスマスパーティが始まってもAはいなくて、メールをしてみると少し遅れるってきた。



桃子「和輝、Aちゃんは？」



「少し遅れるって」



桃子「そっか…」



「ねぇ、俺の彼女なのになんで俺より会いたがるかな？」



桃子「だって可愛いじゃん、和輝にはもったいない」



「うるさい笑」



『ごめん、遅れた！』



「ううん大丈夫！」



『…』



「ん？」



ずっと俺の目を見たまま動かないA。



『ちょっとこっち来て』



Aに手を引かれ、みんなの輪から離れる。



「どうした？」



『和輝の言う通りだった、私嫌われてなかった』



Aは手紙を見せててそう言った。



『和輝のおかげだよ？和輝が私の背中を押してくれたから…』



「A！」



『わっ！』



Aを抱き上げそのままくるくる回る。








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この星に暮らす僕らは皆深い傷を負ってしまっていて誰かと繋がることに臆病になってるのかもしれない。


でも、きっと僕らには素敵なことが待ってる。そう信じて生きてかないとダメなんだ。


楽しいばかりでは無い仕事に楽しみを見つけることができる人は、生きるという長くて地道な仕事にも楽しみを見つけることが出来る人だから。


生きていく上で大切なのは衣食住なんだ。でも生きるだけじゃなくて強く生きるために必要なのは、誰かを大切に思うことだ。


誰かを大切に思えば…きっと相手も思ってくれる。そういう人がこの世界にいれば…強くなれる。


その人のために生きようって思えるから。


この世界は愛だけで成り立ってるわけじゃないし、いい人だけがいる訳じゃない。


一歩道を曲がれば、得体のしれない悪意とか暴力とかがあって…それはきっと無くなることはなくて、僕らにできることは誰かにしっかり捕まって、誰かとしっかり手を繋いで…自分たちを守るしかないんだ。


でないと不幸の落とし穴はそこら中にある。


でも大切な人、守るべき人が一人増えればその分世界はいい方へ向かう。そういうこと。


僕らはどんなに嫌なことだって楽しいことに変えてしまえる力を持ってるんだ。


それを『強い』って言うんだ。


生きるってことはずっと幸せって奴に片思いし続けることなのかもしれない。


でも片想いは切ないけど楽しい。もしかしたら僕らが暮らすこの星は傷ついて弱ってるかもしれない。


でも今生きる僕らみんなが幸せに片想いしていれば…きっと大丈夫。この星は壊れない。

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