驚きの4日目 ページ36
「鶴丸様、起きて下さい!」
「朗報です、朗報です!」
どこからか聞こえた少年の声に、
はっと目を覚ます。
まだ少し外が暗いが、暗闇に目が
慣れているのか不思議と視界は良好だ。
酒に酔って潰れている不動が見えるし、
ぐったりしている長谷部も見える。
ただ一人、三日月だけは穏やかな
表情をして幸せそうに眠っている。
意識が他のことに飛んでいると、
切り替えろとでもいうように
また声が聞こえた。
「鶴丸様、天井をご覧下さい!」
「僕達、良いことを思い付きました!」
はっとして声に従い顔をあげると、
そこにはあどけない笑顔で手を振る
前田と平野の姿があった。
「前田、平野! 無事だったんだな…!」
鳴狐も、前田たちに被害がないよう
陰ながら協力してくれた。
あのあと、いくら兄弟とはいえ
あの超危険なお兄さんを前田と平野に
預けたことに後悔していたが…
こうして無事な姿を見れて、良かった。
俺の心配に二人ははい、とうなずき
手をさしのべてくる。
遠慮なく差し出された手を掴むと、
どこにそんな力があるんだと
疑いたくなるほどの力で、天井に
引き上げられる。
気の利く平野が天井の板を元の位置に
戻している間に、前田が興奮ぎみに
俺の手を両手で包み込み、意識を
そちらに向かせる。
「鶴丸様、僕たち良いことを
思いついたんです。聞いて下さいますか?」
「ああ、もちろん。聞かせてくれ」
「その前にまず、ご報告を」
前田が前のめりになるのを宥めるように、
板を元の位置に戻し終わった平野が
控えめながらもよく通る声で、
会話に入ってきた。
「いち兄の件ですが、無事自我を
取り戻すことに成功致しました。
今はまだ不安定な状態ではありますが、
主さまの息子さんが帰ってくるまでには
安定するかと思われます」
己に課せられた任務をきちんと果たした
平野は、少し得意気に微笑んだ。
しかし見返りを求めるのは現金だと
思ったのか、あわてて顔を引き締める。
その様子が可愛らしくてありがとう、
頑張ったなと労えば恐縮です、と
子どもらしからぬ返事が返ってくる。
だが顔は緩んでいて、その反応が
可愛くてたまらない。
頭を撫で回したい衝動に駆られるが、
必死に衝動を押しとどめて前田に
話の続きを促した。
「それで、前田。良いことってなんだ?」
再び俺への意識が前田に向かい、
前田もはい、と気を引き締めるように
語り始めた。
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
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月珠 - 1から読みたいのでパスワードを教えてください！ (2022年12月23日 17時) (
レス) id: d908ec33e4 (このIDを非表示/違反報告)
眠民(プロフ) - 1から読みたいのですがパスワードが掛かっていて読めないのでパスワード解除、もしくはパスワードを何処かに書いて頂けませんか？ (2022年9月3日 5時) (レス) id: fcb69bf060 (このIDを非表示/違反報告)
？(^^)？ - 1から読みたいのですがパスワードを教えていただけませんか？お願いします！ (2022年4月21日 22時) (レス) id: 2bcf67198a (このIDを非表示/違反報告)
Rin?^^*(プロフ) - 1から読みたいのですが、パスワードを教えて頂けないでしょうか？ (2020年10月11日 14時) (レス) id: ed59144b66 (このIDを非表示/違反報告)
はるかかなた(プロフ) - 一から読みたいのですが、パスワード教えていただけませんか？お願いいたします。 (2020年9月9日 23時) (レス) id: b232e8656d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：師走氷 | 作成日時：2016年8月19日 12時
