驚きの首落ち武者 ページ31
多くを語らないその喋り方に、
俺は驚く。
「鳴狐! 外に出ても大丈夫なのか!?」
自分の存在は秘密にしてほしい、と
自ら願い出ていた鳴狐が、
兼さんたちの前に姿を現した。
二人は鳴狐に関しての記憶がないのか、
誰だあいつ、知らんという会話が
繰り広げられている後ろで、
鳴狐が俺に近づく。
「心配ないよ。…二重の意味で」
そう言って、鳴狐は前田たちが入った
部屋に視線を向ける。
どうやら、俺の心配を察して
わざわざ安心させる為に外に
出てきてくれたようだ。
外に出ても大丈夫だけど存在は隠してね、と
付け加える鳴狐に、一も二もなく頷く。
鳴狐の頼みなら、聞かないわけには
いかないからな!
「久しぶりだな、鳴狐」
「久しぶり。…大変だね」
そっと鳴狐が視線を向けた方向には、
兼さんと三日月があーでもない
こーでもないと鳴狐について
話し合っている。
分からないことがあるなら、本人に
聞けばいいのにな。
議論を繰り広げる二人を横目に、
本丸の現状と三日月の状態について
鳴狐に報告する。
すると、大体知ってるという
回答が返ってきた。
俺が三日月を壊してしまってもなお、
鳴狐の俺に対する態度は変わらない。
それがひどく、嬉しかった。
「じゃあ黒鶴、俺は浦島んとこ
行くからな。安定のとこにちゃんと
顔出せよ!」
やがて鳴狐への関心がなくなったのか、
兼さんは無責任な言葉を残して立ち去った。
「ちょっ、待ってくれ兼さん!
俺は前田と平野の…」
無事を確認したい、とは続かなかった。
兼さんは存外逃げ足が早くて、
しかも人の話を聞かないからすぐに
姿が見えなくなった。
「前田と平野、見ておくよ。
…いってらっしゃい」
俺の心配を察して、自ら前田たちを
見守る役をかってでる鳴狐に
大丈夫か? と問いかけてしまう。
「だってきみ、見守ってるときに
前田に姿を見られたりでもしたら
まずいだろう?」
そんなヘマはしないだろうが、
万が一があり得る。
だが、鳴狐は気にする素振りを見せず
隠れきってみせるからと胸を張る。
信用していないわけじゃあないんだが、
大丈夫なのか?
「黒鶴、ここはそこの狐に任せて、
和泉のが言っていた安定とやらに
会いに行こう。脱け殻も気になるが、
首落ち武者というのも気になる」
兼さんが安定のことをどう説明したのか
知らないが、なんだ首落ち武者って。
確かに『首落ちて死ね』とか
普通に言っていたが、安定の首は
落ちていない。
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西 - この方角に福があるはずです
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月珠 - 1から読みたいのでパスワードを教えてください！ (2022年12月23日 17時) (
レス) id: d908ec33e4 (このIDを非表示/違反報告)
眠民(プロフ) - 1から読みたいのですがパスワードが掛かっていて読めないのでパスワード解除、もしくはパスワードを何処かに書いて頂けませんか？ (2022年9月3日 5時) (レス) id: fcb69bf060 (このIDを非表示/違反報告)
？(^^)？ - 1から読みたいのですがパスワードを教えていただけませんか？お願いします！ (2022年4月21日 22時) (レス) id: 2bcf67198a (このIDを非表示/違反報告)
Rin?^^*(プロフ) - 1から読みたいのですが、パスワードを教えて頂けないでしょうか？ (2020年10月11日 14時) (レス) id: ed59144b66 (このIDを非表示/違反報告)
はるかかなた(プロフ) - 一から読みたいのですが、パスワード教えていただけませんか？お願いいたします。 (2020年9月9日 23時) (レス) id: b232e8656d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：師走氷 | 作成日時：2016年8月19日 12時
