驚きの幻覚と幻聴 ページ16
瞳に写るのは、鶴丸であって
鶴丸でない俺の姿。
望月の瞳をそらすことなく、
真っ直ぐに三日月の目を見ている
瞳と、目が合った。
『頑張れ』
脳内に直接語りかけてくる声は、
鶴丸の声そのものだ。
幻覚か、瞳に写る俺が口を
動かしたようにも見えた。
ずいぶんと面白い驚きだが、
今は自分と目を合わせている場合じゃない。
もう一度、今度はしっかりと
三日月の瞳だけを見つめる。
写っているであろう俺の姿はぼやけ、
見えるのは海のように静かな暗い色、
欠けてもなお美しい三日月のみだ。
見ているとうっかり
吸い込まれてしまいそうな、
綺麗で、それでいて危険な色を
含ませる不思議な月。
その瞳に浮かぶ2つの欠けた月が、
感情の揺れを表すように動く。
俺の気持ちは、どうやら伝わったようだ。
その証拠に、三日月の踏ん張っていた
力が少し、ゆるまった。
「ああああああああああああああああああ」
同時に、図ったかのような素晴らしい
タイミングで聞こえた叫び声。
相変わらず壊れたような人間らしくない
叫び声だったが、よくよく聞いてみると
悲鳴のようにも聞こえる。
哀しみが含まれているような、
そんな感じがした。
「三日月」
もう一度、名前を呼ぶ。
今度は柔らかく、出来る限りの
優しい声で。
一緒に声の主を探そう、と誘う。
目から視線をそらし笑顔を向けると、
三日月があわてて視線をそらし、
右の方向へ走り出した。
俺の手を離さないところは
三日月らしいと言えばらしいが、
急に走られると俺も驚く。
驚きは大好きだから、別にいいけどな!
「…さっきのは、一期だ」
「一期? …まさか、一期一振か!?」
声に聞き覚えがあった三日月は、
真っ直ぐと迷うことなく廊下を走る。
さっきの声が一期一振だと知らされた
俺は、驚いてしまって思考が停止している。
鳴狐からは鬱病状態だと聞かされていたが、
あれは軽く発狂してないか?
鬱病とか関係なく、精神的に
壊れていってないか!?
「まだ見ぬ長谷部も同じような
状態だったら、どうしようか…」
不安を抱えながらため息を吐くと、
ゴンッと何かがぶつかる音がした。
音のした方に視線をやるが、
誰もいない。
こんなこと、さっきもあったぞ。
幻覚の次は幻聴かよ…
勘弁してくれと頭を抱えたくなるが、
手は三日月に握られたままだ。
当の本人である三日月は、
目的の場所に着いたのか走っていた
足を止めた。
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
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月珠 - 1から読みたいのでパスワードを教えてください！ (2022年12月23日 17時) (
レス) id: d908ec33e4 (このIDを非表示/違反報告)
眠民(プロフ) - 1から読みたいのですがパスワードが掛かっていて読めないのでパスワード解除、もしくはパスワードを何処かに書いて頂けませんか？ (2022年9月3日 5時) (レス) id: fcb69bf060 (このIDを非表示/違反報告)
？(^^)？ - 1から読みたいのですがパスワードを教えていただけませんか？お願いします！ (2022年4月21日 22時) (レス) id: 2bcf67198a (このIDを非表示/違反報告)
Rin?^^*(プロフ) - 1から読みたいのですが、パスワードを教えて頂けないでしょうか？ (2020年10月11日 14時) (レス) id: ed59144b66 (このIDを非表示/違反報告)
はるかかなた(プロフ) - 一から読みたいのですが、パスワード教えていただけませんか？お願いいたします。 (2020年9月9日 23時) (レス) id: b232e8656d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：師走氷 | 作成日時：2016年8月19日 12時
