【刀剣乱舞】驚きの毎日を、弐【男主】

驚きの魚介類 ページ13

厨に着いて、三日月の

気分の悪さもだいぶ落ち着いた頃。

光忠は俺を鶴丸と疑うこともなく、

楽しそうに話を振ってくる。

この前池に鯉がいたとか、

万屋で美味しそうな鯛があったとか。

魚関連の話が多いが、光忠は

魚介類が好きなのだろうか。

ギリギリついていける話ではあったから、

俺も当たり障りのない程度には返事を返す。

「でね、その時ホタテもあったんだよ」

「ほぼほぼ北海道の産物だよな、それ」

「あと、伊勢えびとかもあったよ!」

「魚介類大好きだな」

「僕的には、サザエとかが一番好きかな。

鶴さんは…何が好きだったっけ?」

「…貝柱だな」

「ああ! よく伽羅ちゃんから貝柱を

横取りしてたよね、そういえば」

懐かしいなぁ、と嬉しそうに会話を

続ける光忠に、俺は内心驚いていた。

…鶴丸も、貝柱が好きだったのか。

他人のを横取りするほどなんだから、

相当好きなんだろうな。

伽羅ちゃんが誰なのかは知らないが…

これもまた、鶴丸に聞こう。

今俺が伽羅ちゃんとやらを問い詰めても、

疑われるだけだろうしな。

最初は俺に逃げられてこそいたものの、

光忠はそんな過去はとっくに忘れたのか

話に花を咲かせている。

途中で思い出したかのように傷の具合を

聞いてきたが、適当に誤魔化したら

何故か納得されて、また会話に戻った。

光忠の会話はまさに

マシンガントークというやつで、

話題がとどまることを知らない。

かなりのコミュニケーション能力を

持っているんだな、と認識した。

時々熱く語りすぎて机をバンッと

叩くんだが、そのたびに机に亀裂が

入っている。

鶴丸の言うおっちょこちょいとは、

こういうことだろうか?

「長谷部くん、どうしてるんだろう?

ちっとも姿を見かけないし、

少し心配なんだよね。

鶴さんは、長谷部くん見た?」

さっきまで魚介類の話をしていたのに、

もう話題が変わっている。

てか、長谷部くんって誰だ。

鳴狐の書いた刀剣の中に、似たような

名前があったことは覚えてるが。

いちいち誰がどういう状況だとか、

覚えていない。…覚えるのは苦手だ。

光忠の長谷部くん話題に、

俺はうーん、と首をひねり苦笑する。

「長谷部がどこにいるのかは知らんなぁ。

ほら、俺は床に臥せってただろう?」

そう言うと光忠がああ、そうだったと

思い出したように手を叩く。

「鶴さん、部屋から出れる状態じゃ

なかったもんね。

思ったよりも元気そうだったから、

すっかり忘れてたよ」

驚きの機嫌の悪さ→←驚きの光忠捜索隊〜閉幕〜

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキー方角

西 - この方角に福があるはずです

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す