第7話：赤い珊瑚礁 ページ7
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黒霧がカクテルグラスをキュッキュと磨く音だけが響く室内。
｢プロイビート、美男子モ〜ド〜｣
｢今回はパツパツブラウスじゃないのですね｣
｢オーバーサイズの服を着ることによって前回の反省を活かしました｣
太腿に肘をつき、気取ったポーズを取るAは完全にメンズモデルだ。数秒前まで可愛らしい少女だった面影は一切感じられない。
｢いつの間にか男が増えた？女だろ！｣
｢そろそろ俺の姿にも慣れてよ、仁くん｣
｢一人称も変わるから判りにくいンだよ！モロバレだぜ？！｣
からからと笑うAは勢いをつけて立ち上がる。
素早くスマホと財布をジーンズのポケットに押し込み出入口の扉に手をかけると、荼毘と鉢合わせた。
｢おかえり荼毘くん。今から出かけるけど、買ってきて欲しいものある？｣
｢何も要らない。つか、お前誰｣
｢ひっで、分かってるくせに！俺より
彼より5cmほど目線が高いAは大きな目を糸のように細くして、へらへらと挑発する。
｢燃やすぞ｣
｢勘弁勘弁、冗談だってば！消し炭になっちゃうよ｣
B級映画よろしく噛ませ犬のチンピラを演じたが、荼毘に響くことはなく本気で炎をチラつかせたので瞬時にひれ伏した。
｢じゃ、行ってきま〜す｣
黒霧が発した「お気をつけて」の声を背に、鼻歌交じりで都心のジャングルに溶け込む。
｢'Cause ah, ah, I'm in the stars tonight♪｣
Aが形成する男性像は多種多様な価値観があれど、誰もが口を揃えて基本｢かっこいい｣が最初に口をつくような容姿である。
｢これ、1個オマケしとくわね｣
｢ありがと〜お姉さん｣
｢やぁだお姉さんだなんて。今年で還暦よ｣
｢見えないっすよぉ、お綺麗で｣
老舗の和菓子屋などで購入する苺大福やどら焼きの甘味は大抵2、3個多く封入される。
Aの巧みな甘い言葉にのせられ、女性陣は照れ笑いしながら、注文数より多く商品を手に取るのだ。
｢Sing song when I'm walking home♪｣
｢野郎姿で帰宅かよ｣
｢Aちゃんのこと大好きですもんねぇ弔くん｣
｢好きじゃない｣
素直になれよと窘めるスピナーを他所に、どっさり買い込んだ紙袋をカウンターに置いた。
｢連合で素直なのは圧紘さんだけだね〜｣
｢ね〜｣
コンプレスと同身長のAは何の躊躇も無く彼に抱きつき、当然のように受け止める。
男女問わずパーソナルスペース皆無のAに連合は自然と順応していったのだ。
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乃愛(プロフ) - ほんとうに、すきです... (2021年10月3日 1時) (
レス) @page28 id: 78a106acd8 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - もう好きです！あづまさんの小説！これからも読ませてください！ (2021年9月27日 6時) (レス) @page23 id: 30b611b787 (このIDを非表示/違反報告)
きりん(プロフ) - すごい主人公の危うさが綺麗に表現されていて好きです！(語彙力なくてすみません) (2021年9月22日 18時) (レス) @page16 id: 7259fb1aa4 (このIDを非表示/違反報告)
御堂(プロフ) - 初めまして。こういった敵連合のお話すごく好きなので嬉しいです、前作から見ていて言葉の表現とかタイトルとか凄く綺麗で読みやすいな~と思いコメントさせて頂きました…！無理せず更新頑張ってください！楽しみに待っております◎ (2021年9月18日 13時) (レス) id: 45dbeb9083 (このIDを非表示/違反報告)
落魄 - すみません、誤字がひどいですね。最後の分はあづまさんがいいならコメントしたいのですが大丈夫でしょうか？と打とうとしたものです。支離滅裂な文章ですみません。 (2021年9月18日 11時) (レス) id: 03af4fb6da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あづま | 作成日時：2021年9月18日 1時
