第5話：過去結論文 ページ5
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｢尖ってたなァ、あの時のAちゃん｣
｢だって影朧……義爛くんが言ってた所と全然違う雰囲気だったから｣
｢アイツ、なんて紹介してたんだ？｣
｢アットホームで和気藹々とした職場だって……｣
詐欺まがいの求人広告かと吹き出してしまいそうな大嘘に腹が捩れるほど笑い転げ、目尻から涙が滲む。
｢そして、さっきAお嬢に引いてもらったトランプが1番上に〜……どう？当たってるでしょ｣
｢すごーいー見て見て、秀一さん、魔法みたい！｣
コンプレスが披露する新技のマジックに逐一拍手をし、目を輝かせるAは純粋無垢な少女そのもので。
｢それにしても、あの死柄木が根負けして迎え入れるとか相当珍しいぜ｣
｢私に利用価値があるってことでしょ｣
｢少しも怯えないA嬢を逆に恐れたのかもねぇ｣
冷やしておいたガトーショコラは、常温で食べた時よりも密度が高くなり、確かに生チョコのようにもったりとした重さを感じられるほど食感が変化していた。
｢俺は温めてトロっとしてる方が好きかな｣
｢フォンダンショコラですよ、圧紘さん｣
｢おじさん5文字以上の横文字についていけないよ〜｣
フォークをくるりと回し、困ったように笑うコンプレスのティーカップに紅茶を注ぎ直すAは気遣いに長けている。
｢死柄木達は何しに何処へ行ったんだろうな｣
｢さぁね、林間合宿襲撃の偵察じゃないの｣
｢怪我しないといいけどなぁ｣
敵ヴィランとして生きる以上、多少の負傷はやむを得ないが、Aのその言葉は本心から出る気持ちの表れなのだろう。
｢そういやA、敵名どうするよ。決めてないだろ｣
｢あ〜、いよいよ敵ヴィランになるのかぁ｣
感慨深そうな表情で、これでもかという量のミルクと砂糖を入れた紅茶をマドラーで掻き混ぜるAは途切れそうな言葉を必死に紡いだ。
｢私、特段ヒーローを嫌ってるって訳じゃないからさ｣
｢……｣
言葉に詰まる。
強い“個性”を持つ故にブローカーである義爛に拾われ、俺達が居場所を与えた。
そもそもAは何処から来て、今まで何をやってきたんだろうか。
お互いの過去や経歴を詮索はしないのが暗黙の了解で、今更聞くことが出来なかった。
｢プロイビート｣
カウンター席でぐうすか寝ていた筈の荼毘が急に発した言葉。
｢お前の敵名、プロイビート｣
え〜なにそれぇ、と笑いながら受け入れるA。
それでいいのか。
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乃愛(プロフ) - ほんとうに、すきです... (2021年10月3日 1時) (
レス) @page28 id: 78a106acd8 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - もう好きです！あづまさんの小説！これからも読ませてください！ (2021年9月27日 6時) (レス) @page23 id: 30b611b787 (このIDを非表示/違反報告)
きりん(プロフ) - すごい主人公の危うさが綺麗に表現されていて好きです！(語彙力なくてすみません) (2021年9月22日 18時) (レス) @page16 id: 7259fb1aa4 (このIDを非表示/違反報告)
御堂(プロフ) - 初めまして。こういった敵連合のお話すごく好きなので嬉しいです、前作から見ていて言葉の表現とかタイトルとか凄く綺麗で読みやすいな~と思いコメントさせて頂きました…！無理せず更新頑張ってください！楽しみに待っております◎ (2021年9月18日 13時) (レス) id: 45dbeb9083 (このIDを非表示/違反報告)
落魄 - すみません、誤字がひどいですね。最後の分はあづまさんがいいならコメントしたいのですが大丈夫でしょうか？と打とうとしたものです。支離滅裂な文章ですみません。 (2021年9月18日 11時) (レス) id: 03af4fb6da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あづま | 作成日時：2021年9月18日 1時
