第17話：明星ノマエ ページ17
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その再会は、あまりに突然で。
｢荼毘く〜ん。11月の夜は流石に寒いよ〜ッ！君が温めて〜なんつっ、て……｣
荼毘とホークスが密会する廃ビルの出入口からひょっこりと顔を出したAは、バツが悪そうに愛想笑いをした。
｢……行こ。早く帰ろ、荼毘くん｣
古びた電灯が漏らす薄明かりしか光源がない今、仄暗いこの室内は妙に怪しげな空気を漂わせている。
｢ッ、ちょっと待って！｣
荼毘の腕を引き、そそくさと去ろうとするAの肩口を思わず掴んだ。
瑞々とした山気が新緑の上を吹きわたる爽やかな青嵐とビル風が混ざる忙しない季節、俺は君と出会った。
大きな瞳、柔らかな声、間違いなく彼女だ。
｢俺 に 触 る な｣
｢おと、こッ……！？｣
瞬きした瞬間、ホークスが離さないでいた華奢な少女の姿は無く、目鼻立ちの整った青年が敵意を剥き出しにして、こちらを見ていた。
｢……こりゃあ失礼。君の無事が分かってつい、ね｣
｢触るなって言ってるの、聞こえない?｣
そんな言葉に目もくれず相好を崩したホークスは薄らと目に涙を浮かべながらAを抱きしめ、再会を喜んだ。
｢どうしてそこまで警戒するかなぁ｣
｢は、離してッ……離せ！｣
ホークスの鼓動がトクトクと響いて不思議と心地好い。
必死に離れようとAは彼の両肩を押すもNo.2ヒーローの力量には敵わず、折れるほど強く熱い抱擁に屈するしかなかった。
｢君が女だろうと男だろうと、どっちでもいいんだ｣
｢やめてくださ……い！｣
｢俺を覚えてるから、そんなに焦っているんでしょ?｣
明らかに動揺している。どうにか善処すればこの子だけでも茨の道から救い出せることが出来る、そんな直感が頭をよぎった。
｢私に触れていいのは、連合のみんな……だけ、で、｣
ホークスは優しく背中を擦り、Aの震える体を包み込むように剛翼を翻した。
｢……俺、勉強したんですよ。あなたが使う摩訶不思議なカタカナ言葉｣
｢な、なんのことだよ、知らない……！｣
並べられる拒絶、擯斥の言葉。
｢俺の連れにマーキングすんな｣
痺れを切らした荼毘がAとホークスを引き剥がす。
単独行動で好き勝手に振る舞う事はあれど、不機嫌そのものの声色を聞くのは久しぶりだ。
｢ぎゃ、痛い痛い、荼毘くんもっと優しくして｣
｢うるせぇ｣
ぐい、とAの襟足を引っ張り、無言で歩いていく荼毘をホークスはただ見つめ、小さく呟く。
｢……あそこまでの殺気と威嚇、初めてだ｣
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乃愛(プロフ) - ほんとうに、すきです... (2021年10月3日 1時) (
レス) @page28 id: 78a106acd8 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - もう好きです！あづまさんの小説！これからも読ませてください！ (2021年9月27日 6時) (レス) @page23 id: 30b611b787 (このIDを非表示/違反報告)
きりん(プロフ) - すごい主人公の危うさが綺麗に表現されていて好きです！(語彙力なくてすみません) (2021年9月22日 18時) (レス) @page16 id: 7259fb1aa4 (このIDを非表示/違反報告)
御堂(プロフ) - 初めまして。こういった敵連合のお話すごく好きなので嬉しいです、前作から見ていて言葉の表現とかタイトルとか凄く綺麗で読みやすいな~と思いコメントさせて頂きました…！無理せず更新頑張ってください！楽しみに待っております◎ (2021年9月18日 13時) (レス) id: 45dbeb9083 (このIDを非表示/違反報告)
落魄 - すみません、誤字がひどいですね。最後の分はあづまさんがいいならコメントしたいのですが大丈夫でしょうか？と打とうとしたものです。支離滅裂な文章ですみません。 (2021年9月18日 11時) (レス) id: 03af4fb6da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あづま | 作成日時：2021年9月18日 1時
