第2話：雄々しくて ページ2
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｢よっこいせ｣
重力のまま引かれ落ち、ぽふっと着地すると華奢ながらも逞しい荼毘くんの太腿に跨り、向かい合って座る体勢になる。
｢あ、おかえりなさいAちゃん！｣
｢今日は帰りが早いな！遅すぎるぜ！｣
｢ただいま〜、お土産あるよ｣
ドアから出入りせず、音も無く現れた少女に
｢……なんで毎回毎回、俺の上に落ちてくんだお前は｣
｢私の特等席に荼毘くんがいるからさ｣
不機嫌そうな顔をする彼の口にAUDREYのグレイシアを問答無用で突っ込む。不服ながらもモグモグと咀嚼する姿が可愛らしい。
｢ふふ、美味しいでしょ｣
｢……甘ったりい｣
口の端に付いたラングドシャの生地を、直接舌で舐め取った。
｢えへ、荼毘くん照れた？｣
｢照れてない｣
｢ま〜たAちゃんが過剰スキンシップしてますよ弔くん！｣
｢ほっとけ、言っても聞かねェんだから｣
定番ミルク味の次に、チョコレート味へ手を伸ばす死柄木は溜息と共に黒霧の淹れた紅茶を啜った。
｢最近の若い子って、あんなに過激なの? おじさん困っちゃうよ｣
｢よく分かんないけどコレ美味いな……｣
｢あ〜！秀一さん食べ過ぎ〜！｣
荼毘の膝から降り、スピナーから錆色の箱を取り上げる。
｢常温はテリーヌショコラ、冷やせば生チョコ食感、温めればチョコが溶けだすフォンダンショコラになる限定販売のガトーショコラなんだから！｣
もっとありがたく頂いてよね、と箱の蓋を閉めて黒霧に冷やすよう手渡したAは、不満気にカウンター席へ座り直した。
｢皆どうして可愛いとかお洒落に無頓着なのかなあ｣
｢まぁ総じて美に無関心だもの......そういえばAちゃん、チーク変えた！｣
｢マグ姉、気付いてくれた？これね〜CLINIQUEの新作のやつなんだ〜｣
｢色白なAちゃんに良く似合ってる〜！Parfums Givenchyのパウダーチークも試してほしいのよ〜｣
｢あれ、ナチュラルでいいよね〜｣
一瞬にして女子会ばりの単語を並べる2人。
テーブルに並べられた苺みるく生洋羹、NUMBER SUGARのキャラメル、Noixのウォールナットクッキーを各々気ままにつまむ。
｢メッチャ美味いな！クソ不味いぞ？！｣
｢わあ、口の中でとろけます！｣
彼らを見る黒霧はグラスを磨きながら、意味深に大きく息を吐く。
｢……随分と穏やかになってしまいましたよ、オール・フォー・ワン｣
その声は、騒ぎ立てる連合の会話によって掻き消された。
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乃愛(プロフ) - ほんとうに、すきです... (2021年10月3日 1時) (
レス) @page28 id: 78a106acd8 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - もう好きです！あづまさんの小説！これからも読ませてください！ (2021年9月27日 6時) (レス) @page23 id: 30b611b787 (このIDを非表示/違反報告)
きりん(プロフ) - すごい主人公の危うさが綺麗に表現されていて好きです！(語彙力なくてすみません) (2021年9月22日 18時) (レス) @page16 id: 7259fb1aa4 (このIDを非表示/違反報告)
御堂(プロフ) - 初めまして。こういった敵連合のお話すごく好きなので嬉しいです、前作から見ていて言葉の表現とかタイトルとか凄く綺麗で読みやすいな~と思いコメントさせて頂きました…！無理せず更新頑張ってください！楽しみに待っております◎ (2021年9月18日 13時) (レス) id: 45dbeb9083 (このIDを非表示/違反報告)
落魄 - すみません、誤字がひどいですね。最後の分はあづまさんがいいならコメントしたいのですが大丈夫でしょうか？と打とうとしたものです。支離滅裂な文章ですみません。 (2021年9月18日 11時) (レス) id: 03af4fb6da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あづま | 作成日時：2021年9月18日 1時
