第32話：HUMAN VISION ページ32
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｢……Aちゃん、本当に居なくなったんですか?｣
｢あぁ、半径10kmの範囲でプロイビートの生体反応が確認されない｣
トガの質問にスケプティックはPCを弄りながら即答した。
死柄木は苛立ちを隠せず首元を掻き毟り、トゥワイスも箍が外れた様に落ち着き無くバタバタと部屋を歩き回っている。
｢言いたかねぇけど……逃げたんじゃねえの?｣
｢A坊に限ってそんなことあるわけ無いだろ、多分？｣
結束力が高いと謳われていても、ここは
スピナーとコンプレスが誰もが言い出しにくかった不安と疑心を露呈したところで、外典が口を開く。
｢……
＊＊＊
朝焼けが東の空に広がり始め、桜色と藍色が混ざり柔らかな雲が滲む。
｢あはは、皆に黙って遁走なんて、私どうなっちゃうのかな? 殺されるかな? 軟禁されるかな? 一生鎖に繋がれるかな?｣
｢も〜、物騒なこと言ってぇ……散歩ですよ、散歩｣
｢演技も嘘も上手だけど、滲み出る善人オーラは隠せてないよ｣
ギクリと表情を硬直させるホークスの両腕に抱かれたAは、呑気に笑いながらパステルカラーのラムネを口へ放り込んだ。
｢ふふ、このままアメリカまで飛んでっちゃお〜ぅ｣
｢普通に犯罪なんで無理ですよ〜Aさん｣
困ったように眉を下げたホークスは降下する位置を決め、そこへ到着するべく大きく翼を翻し、波の緩やかな砂浜へ彼女を下ろした。
｢“あの時振り”の海だ……懐かしいなぁ｣
脱いだ靴を持ちながら、押し寄せる小さな波を無邪気に受け止め、ぱしゃぱしゃと、ひとり海と戯れながら笑うAをホークスは少し後ろで見つめていた。
｢鷹は、とても賢い生き物らしいね？｣
｢……そう、なんですかねぇ｣
突然、真面目な顔をしてホークスに問いかけるその表情は今にも崩れ落ちてしまいそうな笑顔だった。
｢こうして連れ出したってことは、完全に私を拐う算段がついたってことで良いのかな？｣
途端、凍てつくような北颪が2人の肌を撫で、Aは揺れた髪を耳にかける。
｢さっきから薄外聞が悪いことばっかり……俺ってそんなに信用無いんですか｣
満ち干きを繰り返す漣は、会話を傍観するようにAの足の間を通り抜けてゆく。
｢あまりに優しすぎる人はね……怖いんだよ、俺｣
不意に瞬きをした刹那、Aは男性に姿を変えていた。
｢終わらせるよ、全部｣
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乃愛(プロフ) - ほんとうに、すきです... (2021年10月3日 1時) (
レス) @page28 id: 78a106acd8 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - もう好きです！あづまさんの小説！これからも読ませてください！ (2021年9月27日 6時) (レス) @page23 id: 30b611b787 (このIDを非表示/違反報告)
きりん(プロフ) - すごい主人公の危うさが綺麗に表現されていて好きです！(語彙力なくてすみません) (2021年9月22日 18時) (レス) @page16 id: 7259fb1aa4 (このIDを非表示/違反報告)
御堂(プロフ) - 初めまして。こういった敵連合のお話すごく好きなので嬉しいです、前作から見ていて言葉の表現とかタイトルとか凄く綺麗で読みやすいな~と思いコメントさせて頂きました…！無理せず更新頑張ってください！楽しみに待っております◎ (2021年9月18日 13時) (レス) id: 45dbeb9083 (このIDを非表示/違反報告)
落魄 - すみません、誤字がひどいですね。最後の分はあづまさんがいいならコメントしたいのですが大丈夫でしょうか？と打とうとしたものです。支離滅裂な文章ですみません。 (2021年9月18日 11時) (レス) id: 03af4fb6da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あづま | 作成日時：2021年9月18日 1時
