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「...一通りこんな感じかな？大丈夫そう？」
「は、はいっ...！えと...がんばります！」
「はは、まあ慣れだからね。みんな手助けするからさ」
あれから色々な説明を受けて、メモに必死に書いていた。た、たいへんだ...。
店長さんはヨンホさんと言って、「店長じゃなくてヨンホって呼んで」とウィンクまでしてきた。カッコつけな感じじゃなくて、自然なウィンクができる人なんてこの世に存在したんだなあ...と感心してしまった。
「今日はお客さん少ないから楽にしてくれて大丈夫だよ。あ、なにか飲む？」
「えっ！お気遣いなく...！」
「俺が今コーヒー飲みたい気分だから付き合ってくれると嬉しいな。コーヒー飲める？」
「あ、じゃあ頂きます...！」
な、なんてスマートな人なんだ...！
就職してもこういう上司のもとで働きたい...。
ヨンホさんが入れてくれた美味しいコーヒーの味に舌鼓を打ちつつ(角砂糖ふたついれてくれた)、ヨンホさんのいろんな話を聞く。
「バイトの子があと2人と、不定期にお店にくるヤツが1人いるんだ。今日はもうすぐバイトの子が1人出勤だから、そのとき挨拶してね」
「は、はいっ！」
バイトの子のあとにサラッと不定期にお店に来るヤツって言ったけどどんな存在なの...？フリーター的な...？？よくわかんないけど、そのうちわかるよね。
それからちょこちょこお客さんにオーダーをとったり(まだ緊張しちゃうけど...)しているとヨンホさんに呼ばれた。
「Aちゃん、さっき言ってたバイトの子。ジェヒョンだよ」
「はじめましてっ、今日から出勤のAです、よろしくお願いします！」
「ジェヒョンです。よろしくね」
そういってジェヒョンさんはもっちりという感じに笑った。
あ、笑窪、かわいいなあ...。
...そ、そうじゃない！
美形すぎない...！？わたし今まで出会った人全員美形なんだけどなんで！？！
あまりに美形でびっくりしているとジェヒョンさんとガッチリ目が合う。すると、ジェヒョンさんがまた微笑むのでぎこちない笑みを返す。
うわ、気持ち悪い顔しちゃったかも...。
美形店長、美形アルバイトのとんでもないお店に応募しちゃったなあ...。きっと他の2人も美形なんだろうなあ...。
気が滅入りそうになりながら、残りの時間を必死に過ごした。
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作者名：ゆにこ | 作成日時：2021年2月9日 19時
