Pretty (ページ4)

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Jisung

教室に入ると、昨日の話題の中心であったAが暇そうにスマホを触ってる。

僕が近づくとぱっと顔を上げて、そのあとニッコリと笑った。わあ、かわいいなあ...

「A、おはよう」

「チソン！あ、おはようっ」

隣の席に座ってAの方を見ると何やらチラチラと僕の方を見て何かいいたそうにしてる。

なんだろ？？

「どうかしたの？」

「チソン、えと、わたし、昨日」

まだ韓国語を話すのが得意ではないAは僕に必死に何かを伝えようとしてる。

それがまたなんていうか...いじらしい？っていうのかな？

「あ～、クッキー、つくりましたっ」

「クッキー？1人で？」

「はいっ！なので、チソンにあげます」

そういうと鞄から小分けにされた可愛らしい袋を差し出してきた。

中身はもちろんクッキー。

「わ！すご、1人で作ったの？」

「はい！わたし、お料理、すき」

照れながら話すA。やっぱり守ってあげたくなるなあ...。

「今食べてもいい？」

「え！今？はい！」

『味見したから大丈夫だと思うけど...あ～っ、味見ってなんていうんだっけなあ...』

日本語で何か言ったけど僕には分からないからリボンを解いて早速中身を取り出す。

ハート型のかわいいやつから食べようっと。

「昨日、ちゃんと私も食べた大丈夫ですっ」
「あははっ、味の心配はしてないよ～」

一口食べてみる。う～ん、おいしい。これだよね。

手作りのクッキーってなんでこんなに優しい味で美味しいんだろう。

しかもAが作ったものって考えたらどこのお店のものより美味しく感じる。

「美味しいよ！」

「本当？うれしい」

ホッとした感じで笑うA。全部食べたいけど、勿体無いからまたお昼の時間に食べよう。

そう思ってクッキーを一つ食べたあと、リボンを縛りなおして(うまく結べずにいたら見かねてAが「あ！わたしやります」と結んでくれた)鞄に入れた。
　

「Aありがとう」

「いえっ！わたしもありがとう！」

ニッコリと笑うA。かわいいなあ。

それを見て昨日のドンヒョギヒョンの様子を思い出して、もし今日教室に強行突破しにきたらどうしよう...なんて考えて朝から憂鬱になった。