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顧問の先生がいたら先生に渡す！マネージャーさんがもしいるならその人に渡す！そう、渡して帰るだけ！
と何度も何度も自分に言い聞かせてはいるけど...うう、なんでこんな心細いの...。
やっと体育館について入り口からそ〜っと覗いてみると、顧問の先生らしき人もマネージャーらしき人もいない。
バスケ部の人たちはもうボールを持って入り口からは遠いコートにいる。
どうやって近づけばいいんだろう...。
そもそも、体育館用の靴に履き替えたほうがよかったのかな？？
グルグルと考えて入り口で右往左往してしまう。
「ねえ」
「！！！！」
後ろから声をかけられて勢いよく振り返ってしまう。
「どうしたの？何か用事？」
顔を見ると練習着っぽいラフな格好をした男の子が首を傾げて立っている。
わあ、優しそうな顔でかっこいい人だなあ。この学校美形しかいないのかな...。
「えと」
「ん？」
わたしが話し出すとわたしの身長に合わせて屈んでくれた。ち、ちかい...。
どこを見ればわからなくて視線を下の方に落とす。
「スマホをわすれてたから、きました」
「スマホ？」
どうにか伝われ！とチソンくんのスマホを見せながら説明する。
すると、目をすこし見開いてあ！とリアクションした。
「なるほど！スマホを届けにきたんだね！これってもしかしてチソンの？」
どうやら伝わったようだ。しかも、チソンくんのことを知ってる！同じ部活なのかな？
「はいっ、チソンのです！」
「やっぱり。俺、同じ部活なんだ」
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作者名：ゆにこ | 作成日時：2021年2月9日 19時
