祭と憎悪少年 ページ8
あ「鉄さん、重たくないですか？」
鉄「心配するな。大丈夫だ。」
棺桶越しでも暖かさが感じれる。
暗い中ヒューと一緒に。
あ「あ．．．」
鉄「どうした？」
あ「ヒューさん．．．眠ってしまいました。」
鉄「そうか」
あ「あの．．．」
鉄「言いたいことあるなら言えよ。できる限り何でもしてやるから。」
あ「．．．外に出たい．．．です。」
鉄「いいぜ。」
木のそばに移動する。
ドスッという重たい物を下ろしたような音がした。
ギィ。
あ「ふぅ」
鉄「お前．．．汗かいてるぞ？」
自分でも気づいていなかったが
髪に雫がついているほど汗をかいている。
あ「暗くてわからなかった．．．」
鉄「っしょ．．．これで拭けば？」
首に巻いていた宣伝用のタオルを手渡す。
あ「ありがとう．．．ございます。」
タオルを受け取り、首や髪をふく。
鉄「髪．．．綺麗だな」
あ「え？」
鉄「髪とかちゃんと管理してるのか？」
あ「シャンプーとリンスはしてるけど．．．あ、それとドライヤー程度」
鉄「じゃあ元々髪が綺麗なんだな。」
あ「っ．．．うん。」
ズラッと並ぶ屋台を見る
あ「やっぱり．．．見えない」
色はやっぱり見えない。
白と黒。
黒い顔の人がいっぱいだ．．．目を凝らさないと顔が見えないくらいに。
でも、たまに感情の変化で色が見えることがある。
ちゃんと顔のパーツはあるけど、前よりどんどん黒が濃くなっているように思える。
でも、まだ顔が見えるだけ安心だ。
鉄「何が見えないんだ？．．．花火ならこっちが見やすいぞ。」
手を惹かれ、人混みの中に入っていく
そうゆうことじゃなかったんだけど、色がわからないとか変人扱いだよね．．．変人だけど。
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あ「鉄さんあの、これって」
鉄「あぁ、迷った」
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作者名：嫌嫌憂憂 | 作成日時：2017年3月18日 22時
