【ⓓ！】少女漫画から転生しました、負けヒロインです。 (ページ3)

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負けヒロイン、はじめまして。ページ3

『...ん〜...』

「起きたか？未知の生物。」

『...？人間ですよ...？』

「比喩表現だ。早く起きろ人間。」

目覚めたのは硬いベッドの上。ふかふかベッドじゃないからか身体が痛い。

「目の前に来い。今のところ拘束はしていない。だが、暴れたら撃ち抜くぞ。」

そう言って彼が出したのは銃。
それはおもちゃとはまるで違う本物の光沢感と少し古びたような色。

凄いと怖いが同時に住む心の中。

私は目の前の椅子に座り、帽子を深く被っていて見えない彼の顔を見つめる。

「...お前の事はうちの幹部から聞いている。日本？から来たらしいな。それはお前の国か？」

『日本はみんなの国です、平和で楽しくて、あといっぱいドキドキときらめきが溢れてるんです！』

「ほう？例えば？」

『好きな人と屋上でご飯食べたりとか、手を繋いで帰ったりとか...デートしたりとか！』

「.....1つ質問だが...お前の頭はお花畑か？」

彼はテーブルに両肘をつくと、両手を組み深刻そうに質問してくる。

変なこと言ったかな？

「まぁ.....いいだろう、まずしんぺいの所に連れていく。」

「あれグルちゃん、珍しいね...え？」

「面倒を見てもらうのは私じゃない。日本から来たらしい人間だ。」

『Aです。こんにちは』

大きな彼の背中から優しそうな声の主を見ると彼もまた顔を隠していた。
神と書いている厚そうな紙を顔につけていて、和服に白衣？

「こいつは重症だ。頭が。多分幻覚が見えている。」

「グルちゃん(イカれてる奴)がそこまで言うなんて...相当なんやな...」

「だって！！こいつはこの世界に平和な国があるなんて言いやがるんやぞ！！完全に頭が...」

「ハイハイ。わかったからこの子は任せて、ね？」

和服の人は椅子から立ち上がると真っ黒な人の背中を押して廊下に追いやった。
そして少ししてから無慈悲に響くバタンという扉の音。

「よしおっけー。」

そう言うと綺麗な白衣をたなびかせて、コツコツという足音を響かせ近寄ってくる彼。
ドラマで見たお医者さんの話と全く同じでかっこいい。

「それじゃあAちゃん。根掘り葉掘り聞かせてもらうよ。」