【ⓓ！】少女漫画から転生しました、負けヒロインです。 (ページ19)

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『.......ん、？』

強い衝撃に肩を押され、背中が地面についている感じがしてるが、
本当にそれだけで痛みも死ぬ感じもない。

目を閉じていて何が何だか分からず真っ黒な視界の中私は困惑している。

殺す前の猶予？それとも楽しんでる？なんて困惑していると、
口に何かザラザラしたものを押し付けられている気がした。

目を閉じているからか敏感になった鼻は、口にある"何か"から甘い香りを感じ取った。

すると頭にぱっと浮かんだ物、角砂糖だ。

危ないものではなさそうだし、なんか徐々に角砂糖押し付ける力強くなってるし...

と渋々口を開けると口の中に小さな立方体の糖分が入ってくる。
勿論味も甘く、小さな立方体が舌に触れると簡単に溶けてしまう。

でもなんでライオンが角砂糖...？

謎が謎を呼び謎を生み出しているこの謎だらけの状態。

「あー聞こえてますかー」

『！？』

思わず目を開けると何故か視界は少しぼんやりしていて分かりにくい。
だが時間が経つにつれて徐々に解像度が上がっていくのが分かる。

私の上にあるライオンのふさふさの体は何かの服のふさふさで、
肉球が私の頬を支えてると思ったら5本指のついた手が私の頬を支えてて、
ライオンの顔だと思ってたら人間の顔で.......

『.....あれ...ライオンは...？』

「あ、戻ったみたいっすね」

『...え、？戻った...？何が...？』

「まだ幻覚みてんすか？しゃーないっすね...」

呆れたように私を見下ろす誰か。
そして彼は私の顎に手を添えると強制的に私の顔を横に向かせる。

この状況含めて何がなんだかわからない私は、
操り人形のように知らない人にされるがままになっていた。

「はぁ〜.....早く起きないなら...ん...」

小さな声と共に耳にあたったのは

『う&@→?♪☆＄@?→&#!?!?!?!?』

驚きすぎて声にならない声をあげるが気付いてないのか、耳元には水音と短い吐息。
目がぐるぐる回ってパンクしそうな私を一部分に当たる少しの温かさが現実に連れ戻す。

『ぁ...起きてます！起きてます！！！』

やっと絞り出した声を勢いよく出し、唯一彼の体重で拘束されてない足をバタバタと動かす。

「あぁ良かったっす。.....なんか.........ひっくり返った虫みたいっすねw」

煽るように見下しながら笑う彼を見て、初めてこの世界でムカついた事ができた。