【ⓓ！】少女漫画から転生しました、負けヒロインです。 (ページ13)

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あの後色々調べられ2人と話していたらあっという間に時間は過ぎ、一人の時間。

なんだかんだ言って面白い人達だったし、話してて楽しかったな。

「人間。来てやったゾ」

重い扉を開けたのは彼ではなく、少しの隙間から見えた糸目の人。

『黒い人さんは力弱いですか？』

「なっ！？」
「プッw」

糸目の人が吹き出して笑い、黒い人は糸目の人を睨んでいる。

「黒い人さんやってw全身的に黒いからw服以外に特徴ないってさw」

「お前力弱いの方がよっぽどやろが！！」

「だってグル氏力弱いやん。現に俺に開けてもらってるし」

『えっと...嫌味で言った訳じゃなくて...弱かったら違う部屋に移った方が...』

「いい！どっかから来た少女に気を遣われる方が惨めだ！」

腕を組みながらこちらに向かってくると、拗ねたように椅子に座る彼。
それを見届けてから扉から覗いていた糸目の人は手を振って、いなくなった。

『あの...お名前...』

拗ねている彼に恐る恐る名前を聞いてみる。
多分答えてくれないだろうなと思いながら。

「...偉大なる総統様でいいぞ。」

『長いですよ！だったら黒い人の方が...』

「わかった！総統様でいい！」

『分かりました！』

私の言葉を最後に会話は終わり、無言の時間が続く。
どこまで聞いていいのか分からない私は質問できないし、
なんなら下手なこと聞いたら殺されちゃいそう。

何したらいいのかわからなくて、窓の外を見ている総統様を見つめる。
初めは深く帽子を被っていたのに今は被っていない。
そのおかげで真っ赤な目が綺麗な空色を見つめているのが分かる。

忙しくてあまりよく観察していなかったけれど
よく見ると鼻も高いし美肌だし足長いし
小説とか漫画とかそういう感じの物語から出てきたみたいな人だな。

なんてじっと観察しているといきなり口を開く彼。

「そんなに見られると顔に穴が空く。」

ロボロさんといい総統様といいこっちを見てないのに何してるかわかるのどうしてなの。

『ごめんなさい...！綺麗な顔だなと思って...』

そう言うといきなり彼はこちらを向く。
表情はなんとも言えなそうな表情で、真っ赤な目が私を捕えた。

「.....お前...いやA、Aは何故自害した？」