無理なくつづく ページ48
[堂前サイド]
永見僕はもうしちゃいましたよ。
後輩やのに言ってくれるなあ〜と幸せが隠しきれてない文面をみて思わず苦笑する。ふと思いつき、そのままピン留めしてあるトーク画面を開く。
別に後輩にそそのかされたからってわけじゃないけど。断じて。
⠀今空いてる〜??
Aネタ書いてます!
A行き詰まってるんでどこか連れてってください!
⠀お散歩行こか
勢いの良い返信がかわいい。そりゃいい大人だから出会い別れは何度もあるけど、こんなにも心乱されるのは君が初めて。そう何度も実感する。
��
暖かい日差しに包まれてるだけで心が洗われる気がするのは俺だけなのかな。平日の昼間から可愛い恋人と優雅に散歩するなんて、こんな仕事でもなきゃ出来ない贅沢な気がして、ちょっと優越感に浸る。
『こうやってまったりする時間のために生きてるのかもしれないです』
「そんなに散歩好きやったっけ？」
『いや、自分一人やと考えすぎて沈んじゃうんですけど、堂前さんとおると安心するんで』
そうやって笑う顔があんまりに眩しい。前言撤回、暖かい日差しだけじゃなくて、やっぱりAが隣にいなきゃだめみたい。
「Aちゃん〜」
『はい？』
「結婚しよっか」
その瞬間、風ががふわっと舞って世界が止まる。考えもなしに言ってしまった言葉はあまりに不恰好で。本当はもっとカッコつけた言葉で驚かせたかったのに、君があんまりに幸せそうに微笑むから、それもどうでも良く思える。
白く陶器のような頬が赤く染まり、それから、その意味を正しく理解した君は優しく微笑んで、こう答える。
『はい』
「幸せになろうね」
柔らかく頷いた君の唇にそっと口付けた。
『なんでプロポーズ今日にしたんですか？』
「いいお天気やったからかな〜」
⠀
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 507人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ねる(プロフ) - ねこさん» コメントありがとうございます。心待ちにしていたと言っていただけてすごく嬉しいです。皆様のリクエストを踏まえた続編にできるよう頑張りますね！ (2022年6月22日 17時) (
レス) id: b46a5649b3 (このIDを非表示/違反報告)
ねる(プロフ) - りまさん» コメントありがとうございます。続編も考えてみますね！ (2022年6月22日 17時) (レス) id: b46a5649b3 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ - はじめまして。毎回の更新を心待ちにするほどこの作品を読むのが楽しくて大好きだったので完結記念にコメントさせていただきました。結婚後ストーリーも作者様の無理のないペースの中で是非読んでみたいです！ (2022年6月21日 22時) (レス) @page50 id: ce4acb1eb6 (このIDを非表示/違反報告)
りま(プロフ) - 終わってしまうのがさびしいです。結婚後のお話も楽しみにしています (2022年6月21日 19時) (レス) @page50 id: 05beb7e26c (このIDを非表示/違反報告)
ねる(プロフ) - みーんさん» コメントありがとうございます。楽しみと言っていただけて嬉しいです。期待に添えるように頑張りますね！ (2022年6月14日 18時) (レス) id: b46a5649b3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ねる | 作成日時：2022年3月23日 19時
