永れ星 ページ47
[永見サイド]
夕食後、二人ソファーに座ってくつろぐ。お互いの家でご飯を食べるといつもこんな感じになる。大丈夫、ここまではいつも通り。
「僕ら付き合って長いですよね」
「まあそうやね〜」
世間一般で見ればそんなに長いわけじゃないだろうけど、こんな不安定な仕事をしてる身にすれば続いてる方なんじゃないかと思う。そろそろ次のステージに行ってもいいくらいには。だからこそ、今日という日は言いたいのだ。
「織さんちょっといいですか？」
「ん〜なしたん？」
「先日なぜか50万円が振り込まれてたんですよね、」
「え〜なんでやろうね〜」
天然でおなじみな織さんだから伝わるかどうか分からなかったけど(ほんまになんの50万円か伝わってない可能性もある)これは優勝賞金って分かった上でとぼけてる。
Aさんには敵わないかもしれないけど、僕だって織さんのこと分かってる自信はあるから。
「50万といえばあれが買えますよね〜」
「なんやろ、掃除機？」
「いや、どんだけええやつ買おうとしてるんですか」
「これです」
ここに来るまでに色々あった。初めはその気があるのかどうかもわからんかったし。寝てる織さんの指をこっそりメジャーで測って、それとなく好きなアクセサリーのデザインを探って。結局はシンプルなものを選んでしまったけど。今だってスマートにケースを取り出せた、はず。
「僕と結婚してくれませんか」
喜怒哀楽が見えない、クールビューティなんて評されてる彼女だけど、少なくとも僕の前ではそんなことはない。くるくると色を変える瞳に少しでも僕のことを映してほしくて。
ありふれた言葉でもあなたに届くように。
数秒の沈黙の後、控えめがちに、だけど勢いよく飛び込んできた返事代わりのハグを受け止め、そのまま強く抱きしめた。震える声を誤魔化して織さんにお願いする。
「手、出してください、僕がつけたいです」
現実主義な僕らには一生なんて長すぎるから、せめてあと100年くらいは一緒にいましょう。
「こういうときに出す手の相場は左ですよ」
「なんで”お手”のポーズするんですか」
⠀
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ねる(プロフ) - ねこさん» コメントありがとうございます。心待ちにしていたと言っていただけてすごく嬉しいです。皆様のリクエストを踏まえた続編にできるよう頑張りますね！ (2022年6月22日 17時) (
レス) id: b46a5649b3 (このIDを非表示/違反報告)
ねる(プロフ) - りまさん» コメントありがとうございます。続編も考えてみますね！ (2022年6月22日 17時) (レス) id: b46a5649b3 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ - はじめまして。毎回の更新を心待ちにするほどこの作品を読むのが楽しくて大好きだったので完結記念にコメントさせていただきました。結婚後ストーリーも作者様の無理のないペースの中で是非読んでみたいです！ (2022年6月21日 22時) (レス) @page50 id: ce4acb1eb6 (このIDを非表示/違反報告)
りま(プロフ) - 終わってしまうのがさびしいです。結婚後のお話も楽しみにしています (2022年6月21日 19時) (レス) @page50 id: 05beb7e26c (このIDを非表示/違反報告)
ねる(プロフ) - みーんさん» コメントありがとうございます。楽しみと言っていただけて嬉しいです。期待に添えるように頑張りますね！ (2022年6月14日 18時) (レス) id: b46a5649b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねる | 作成日時：2022年3月23日 19時
