After The Rain ～Heechul～ 3 (ページ4)

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レスラーとの戦いページ4

『今、そこで大きなレスラーみたいな警官に掴っちゃって･･･』

キュヒョンが苦笑いすると、事のいきさつを話し始めた。

＊＊＊＊＊＊

帰り支度をしていたキュヒョンは、ヒチョルから連絡を受け、すぐ病院へと向かった。

レスラーみたいな大きな警官にAの居場所を聞いたが、彼は心底面倒くさそうに眉間にしわを寄せた。

『あのねぇ･･･関係ない人を入れられる訳無いだろ。』

『関係なくありませんっ。』

『そうやって言う奴いるんだよ。』

『僕は、本当に知り合いなんです。』

『はいはい。
帰った帰った･･･。』

シッシッと追い払う様な手つきに、キュヒョンの中の何かがプツンと切れた。

『教えろって言ってるだろっ。』

『お前な･･･』

警官がキュヒョンに掴み掛かろうとした時

『騒がしいね？』

穏やかな声が聞こえた。

警官は、慌てて振り向いて敬礼をする。

そんな彼を見て笑うと

『まぁ、そう固くならずに･･･彼は、僕が案内しよう。』

『でも、ハンさん･･･』

警官が困ったように、キュヒョンをチラッとみた。

瞬間、キュヒョンが警官を睨みつける。

その様子に苦笑いしたハンと言う彼は、どうやらとても偉い人のようだった。

若くして出世したのか、年齢の割に若く見えるのか、その答えばかりは考えても出ないけれど

(マネヒョンに似てる･･･。)

そうキュヒョンは思った。

細身のスーツを着こなす姿は、男のキュヒョンから見ても格好良い。

渋々と言った様子の警官の横を、ハンの後ろに付いて勝ち誇った表情で通り抜けた。

『うちの部下が、申し訳なかったね。』

ハンが苦笑いした。

『いえ･･･僕も大人げなかったので･･･すみませんでした･･･。』

キュヒョンも同じように笑った。

『あ･･･彼女ね･･･この先を右に曲がって、突き当たりにある･･･』

『分かりましたっ！
ありがとうございますっ。』

ハンの言葉を待たずに、キュヒョンは走り出した。

『扉の先を･･･まだ奥に行くんだけど･･･行っちゃったな･･･。』

ハンが、困ったように笑って頭をかいた。

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『･･･で、すみません。
道に迷ってました。』

やっと落ち着いたキュヒョンが、小さく笑った。

『ごめんね･･･忙しいのに･･･。』

『いえ･･･大丈夫です･･･。』

『ありがとう･･･』

『気にしないで下さい。』

そう言ったきりキュヒョンとAの間に、会話がなくなってしまった。