貴方を慈しむ

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Yugo side



"アイツ"の顔が近づいてきた。いつもなら、本当ならば北斗なのに。嫌だ、寒気がする。俺は、俺は北斗のことが好きなんだ……！！


優「やめっ」


北「高地！！！！！！」


ヒーローが現れたように見えた。なんで北斗がここに。北斗だけじゃない。ジェシーや大我も。どうして…？


『なんでお前らがここにいんだよ！！』

京「高地の様子がおかしいから着いてきた」

ｼﾞｪ「……君、高地に何してんの？」

『俺と高地くんが何しようが勝手だろう！付き合ってるんだから！！！』


付き合ってなんか、ない。
北斗の方をチラッと見ると、真っ直ぐとスタッフさんを見ているのが分かった。瞳の奥には怒りが込められていて、見ているというよりかは睨んでいる。その視線に気づいたのかヒィッと悲鳴をあげるスタッフさん。


樹「あ、いたいた」

慎「スタッフさん、あの人です！」

「お前は、つい先日来たばかりの……。状況は社長の元で詳しく教えてもらうぞ」


他のスタッフさんに腕を掴まれ、「クソッ」と言いながら部屋を出ていったあのスタッフさん。一瞬の出来事過ぎて状況整理が追いつかない。


北「高地！！」

優「北斗……」


北斗に思いっきり抱き締められる。一週間ぶりに感じた北斗の体温は温かかった。あぁ、好きだ。そう思いながら抱き締め返そうとした……手を止めた。


北「高地…？」


俺は北斗に一方的に別れを告げて、北斗を傷つけてしまった。俺に、北斗を抱きしめ返す資格なんて、隣にいる資格なんて、ない。

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