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A side
震える体を抱き締めてくれる相手はいない。
ただ1人でじっと堪えてみても熱くなる瞳にはじんわりと涙が浮かんだ。
『半年くらい前、村の人達の会話を聞いた。あの人は隠してるけど…
バンダルは、この島に来る前まで世界中を旅した海賊だった。』
口にすると、今まで以上にその事実を実感してしまうだけだった。
『事実を知ったからと言って私はあの人を嫌いになんてなれない…。それでも…私が海賊を愛するなんて絶対に許されない！
…それを知った日からずっと怖くて仕方なかった…抑えの効かない私の本性がいつバンダルに刃を向けるか。ずっとずっと怖くて怯えてた…』
知ったばかりの頃、数日間眠れぬ夜が続いた。
島に来る他の海賊を斬ること以外にこの気持ちを押さえつける術を私は知らない。
だから何度も何度も海賊を斬ってきた。
しかしこれまでがそうだからといって、これから先もこの生活が続くかどうかも分からない。
大切な人がいる事が…とても怖い。
『大好き恩人をいつ殺してしまうかも分からない私の気持ちが分かる！？いつだって私を不幸にさせるのは海賊なのよ！！』
ロー「…知らねぇよ。」
『……』
…あぁ、馬鹿みたい。
私はこの男に何を求めた？
この話をする事で同情の言葉が欲しかったのだろうか。
話した理由も私には分からない。
けれどそれ以上に、その一言で張り裂けるほどに胸が痛くなった。
『ははっ…関係無いよね。こんな話、貴方には…』
ロー「そうじゃねぇ。俺以外の海賊がお前にしたことなんて全部どうでもいいって言ってんだ。俺を顔も知らねぇ他人と一緒にしてんじゃねぇよ。」
そんな事言われても…少なくとも私が見てきた海賊は皆そうだった。
一緒にするなと言うのなら、その口であいつらと同じ言葉を言わないで欲しかった。
ロー「俺は…お前より強い。」
『…は？』
今の話の流れからなぜそんな言葉が出てくるのだろうか。
一度は剣を交えたのだ。彼が強いなんて事痛い程に理解している。
恐らく、私はこの男に勝つことが出来ないって事も…。
だからって何故いきなりそんな自慢をしてくるのだ。
ロー「分からねぇか？てめぇがもしも俺の仲間に手を出そうもならそんときゃすぐに殺してやる。だから安心して船に乗れ。」
『…ははっ…殺すと言われて誰が安心できんのよ…』
海賊の言葉に気持ちが揺らいでも
その日、母は私の前に姿を現さなかった。
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おだんご(プロフ) - 瑠李さん» 気に入って頂けて嬉しいです！！最近更新出来てなくて申し訳ないですがこれからも楽しんでくれると嬉しいです💗 (2022年9月20日 12時) (
レス) id: 2253c94c55 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - 初コメ失礼します。何度の読み返すぐらい大好きな作品です( ◜ᴗ◝ )ﾆｺ更新楽しみに待っています⸜( •⌄• )⸝頑張ってください(๑•̀ㅂ•́)و✧応援してます。 (2022年9月18日 14時) (レス) id: 9824e2f221 (このIDを非表示/違反報告)
おだんご(プロフ) - 咲来(名前)さん» コメントありがとうございます！すっごく嬉しいです頑張ります🥹 (2022年8月31日 12時) (レス) id: 2253c94c55 (このIDを非表示/違反報告)
咲来(名前)(プロフ) - すごく大好きです！これからも更新頑張ってください❗️ (2022年8月30日 21時) (レス) id: ff57aa709d (このIDを非表示/違反報告)
おだんご(プロフ) - くいっくさん» ありがとうございます！その言葉凄く励みになります😭 (2022年8月7日 13時) (レス) id: 2253c94c55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おだんご | 作成日時：2022年8月4日 19時
