タイミング【 3 】 (ページ26)

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「嬉しいね。」

悠乃「うん…。」

「ほんと、平坦な道のりではなくて…
悔しい思いもたくさんして、
たくさん喧嘩してたくさん泣いて……
でも、私たちなら出来るって信じて、
信じた結果今があって…でも今があるのは
支えてくれるファンの方だったり
スタッフの方だったり家族だったり…
みんながいるから、夢を叶えることも出来たし、
これからの夢を見つけることが出来たのかな
って思うし…うん……ありがとうございます。」

Aちゃんが頭を下げると他の3人も頭を下げた。

深々と頭を下げたまま頭をあげようとしない4人に
拍手が送られ、俺らも拍手を送った。

正真正銘、ラストの曲…。

たまに映る客席のファンの人たちは涙を流していた。

そして……最後Aちゃんが
アカペラで歌うはずなのに、歌おうとしない。

愛華「あれ？」

悠乃「ん？A？」

「だって、これ歌ったら本当に終わりなんだもん…。」

そう言って涙を流したAちゃんのところに
ゆっくりと集まった3人。

「ふふっ。最後だからさ、みんなで歌おう？」

摩耶「無茶言うね。笑」

「いいじゃん。1.2.3.4ね。」

愛華「うわ、ハモれと！？笑」

いきなり、番号を言いながら
みんなに指さししだしたAちゃん。

その行動に理解出来たのはメンバーだけだろう。

悠乃「主旋律A？」

「ううん。摩耶で。」

悠乃「まじか。笑」

摩耶「おけ。」

「スーって息吸うからそのタイミングで。」

行くよ？と言って息を吸ったAちゃん。

そして、ぶっつけ本番とは思えないくらいに
キレイに4人が最後のアカペラのフレーズを歌い上げた。

最後の最後にまた鳥肌が立った。

ありがとうございました
と最後の最後までみんなに手を振る4人。

照明が着いて明るくなった会場。

以上をもちまして、とアナウンスが流れる中
大きな拍手に包まれた。

すげぇなぁ。

こんなにも愛されてんのに解散するなんて…。

北斗「俺らはさ、」

北斗が口を開いたからみんなが北斗の方を見た。

北斗「何があっても解散しないで頑張ろうね。」

樹「…はぁ？笑」

当たり前だろ。

俺らは何があろうと別々にはならない。

んな当たり前なこと、今言うことじゃないだろ。

でも、泣いてるL!nkのファンを見たら俺も思ったけどね。

これからもここにいる6人で頑張ろうって。