121 大我side ページ21
.
t.k
大我「おかえり。」
「ただいま。」
地方でのライブを終え、
都内に戻ってきたAに会うべく家へ向かった。
悠乃ちゃんは気を使ってくれて
愛華ちゃん達の家に行ったとか。
ありがたいけど申し訳ない。
でも嬉しい。
大我「ネットニュース見たよ。」
「ふふっ。ありがと。」
L!nkラストツアーが
大々的にネットニュースになっていた。
そりゃあね。大人気ですから。
解散しないでというファンの思いもわかる。
でもなぁ……
解散しないと付き合ってくれないのよこの子。
「ん?」
大我「ふふっ。なんでもない。」
「えぇー?何か言いたげな目をしてましたよ?笑」
大我「いいの!なんでもない。」
そう言ってAの膝に頭を乗せて横になると、
ふふっと微笑んで頭を撫でられた。
疲れてんのはAなのにね。
俺が甘えたい。甘えさせてくれるAが好き。
大我「Aが地方に行ってて寂しかった。」
「ふふっ。」
ライブだと、仕事だと分かってるのにね。
寂しいものは寂しいんだよ。
でもAは微笑むだけで、
私も寂しかったとは言ってくれない。
そんなことでわかる。
俺らの対比?気持ちの、ほら、そんな感じ。
俺の方が気持ちが強いんだなって。
なんて思ってると、
ごめーん。入るよーって
玄関から叫ぶ悠乃ちゃんの声が聞こえて起き上がった。
「どした?」
悠乃「ごめん。忘れ物。」
申し訳なさそうにリビングに現れた悠乃ちゃんが
俺を見てペコッと頭を下げてキッチンへ向かった。
直ぐに悠乃ちゃんについて行くA。
「あぁ。賞味期限今日までだったもんね。」
悠乃「そう。摩耶が食べるって言うからさ。」
「そっかそっか。」
冷蔵庫から何かを手に取って
リビングに現れた悠乃ちゃんが、
お邪魔してすみませんと俺に言ってきた。
どちらかと言うとお邪魔してるのは俺の方。
300人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:popo | 作成日時:2023年4月15日 20時