キミが好き ［桃］ − 1 −

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女子「佐久間先輩って
実は3年の矢澤先輩と付き合ってるって知ってたぁ？」


女子「らしいねー！」



そんな噂が耳に入ってきた。



まさかね。

だってダンス部は恋愛禁止。


先輩方が隠れて付き合うなんてありえない。




「あ、」


由果「えっ？」


「……。」


由果「なに？」



ありえない。


そう思ってたけど、矢澤先輩のカバンに
佐久間先輩が嫁と言うアニメのキャラクターの
ぬいぐるみが付いていた。


あれ、佐久間先輩も同じやつ付けてる…。



あ、と声を出してしまったせいで
矢澤先輩にチラッと見られた。



キレイな先輩。

気品高い容姿に見とれてしまう。




勝手に、都合いい考えで
佐久間先輩は私に好意を持ってくれてると思ってた。


でも、そんなの妄想に過ぎない。



.



翌日、



由果「ねぇ早く行こ。ほしいお弁当無くなっちゃう。」


「あ、うん。急ごう。」



珍しく由果が
お弁当を持ってくるのを忘れて売店に向かった。



人でごった返してる売店の隅で由果の買い物を待つ。



その時だった。




佐久間「ぬぁ、矢澤ぁー。」


矢澤「…なに。」


佐久間「昨日の観た？俺さぁ、」


矢澤「学校では話しかけないでって言ったよね？」


佐久間「あ、ごめんごめん。あとでLINEするわ。」


矢澤「…うん。待ってる。」




「………。」



矢澤先輩も佐久間先輩の内側の人。



楽しそうな笑顔を見て、胸が痛い。

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