キミが好き ［桃］ − 1 −

041 佐久間side ページ41

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最終日の夜

あとは帰るだけだからと緊張感がなくなり
多目的ホールに集まってみんなで遊んでいた。



佐久間「俺は市民だっ！信じてくれよっ！！」



うるさいからと言う理由で即座に消された。

これが2回目。


暇でさーっと誰に何を告げるでもなく多目的ホールを出た。



佐久間「あ、」



ロビーにポツンと座っているAがいて近付いた。



佐久間「なにしてんの？」


「ひっ！！」



肩にポンっと手を置くと、
ビクッと驚くAが振り向いてイヤホンを外した。



「びっくりしたぁ。佐久間先輩か。」


佐久間「ふふっ。あっちでみんなで遊んでるよ？」


「はい。あとで顔出します。」



チラッと覗くと手元にはスマホ。


画面を見ると、ダンス映像が流れていた。




「今日、由果のチームが出るんです。」


佐久間「あぁ。俺も見たい。」



そう言って隣に腰掛けると、片方のイヤホンを渡された。



「ワイヤレスの充電器持ってくるの忘れて…。笑」


佐久間「俺持ってるよ？」


「じゃあ後で貸してください。」


佐久間「うん。」


「……。」


佐久間「由果はいつ出るの？」


「次の次だと思います。
でも、次のチームも素敵なんですよ。」


佐久間「へぇー。」



肩が触れる距離。

お風呂上がり特有のシャンプーの香りが鼻をくすぐる。


ずっと目線はスマホ。



「このチームは音にハメるの上手だし、
その音とる？ってワクワクするんですよ。
それに予想出来ない動きだったりして、
もぉほんとすごいんです！」


佐久間「へぇー。」

ここが凄い、この人が凄い
と話すAの横顔は輝いていた。



「あ、次ですよ。由果。」


佐久間「うん。」



頑張れーと画面に声をかけるA。


普段俺らがステージに立つ時も
こうやって言ってるんだろうな。

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